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第79話

陵樹side 水を飲ませてあげた後、ソファーまで運び向かい合わせてに膝の上に乗せた。ソファーに座らせようとしたが、辛そうに背もたれに寄りかかっていたからやめた。 太腿と、首のあたりにガーゼを巻いた保冷剤を置き身体を冷ましてあげる。気持ちがいいのかちょっとウトウトしてる。 「………甘えるって、いいね…」 そうポツリと言った後目を閉じてしまう…。本心からそう言っている気がして、嬉しかった。俺には気を許してるみないな感じが堪らない…。 ムラッときたが、今手を出してはいけない…。 理性を総動員させて冷静を装った…。 「ヨル?寝るのか?」 「……寝ない」 「寝るなら髪乾かしてからな」 「んっ…」 ヨルの話し方からだと丈夫そうに思えてしまうが、体が弱い…。ちゃんとみててあげないと面倒臭がりだから風邪を悪化させる。 寝ないと言いながらも、数秒で寝落ちそうなほど頭をかくかくさせている。髪が濡れたままだと寝癖とかも付きやすいし乾かそう。 「眠かったら寝てろ」 「ん…」 ドライヤーを取りに行き乾かしてあげる。気持ちよさそうに目を瞑ったと思えば……終わる頃にはもう夢の中に旅立っていたのだった…。

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