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第85話
陵樹side
夕の目が覚めた。まだ熱は下がりきってないけれど…。目が覚めて、俺よりも先に春のことを呼んだから…、もやっとする。
「春くん……」
「…夕?起きたか?」
「…リョウさんなの……。春くんは?…ぼく、春くんに、…あいたい、なの……。きのうの、こときかなきゃなの……」
「陵樹ー、これどこに片付けるのー?…あ、夕くん起きた?おはよー。もう熱下がったの?良かったぁ〜、ご飯食べられそう?」
春と、夕が楽しそうに話しているのを見て、もやもやイライラ……。何でこんなに落ち着かないのか…。嗚呼、これが嫉妬という感情か……
嫉妬してるのが伝わったらしく、無意識に感じていた負の感情を夕は読み取ってしまい…。その怖さに泣き出してしまった…。春と二人でオロオロとする。
「どうしたの??どこか痛いの?夕、泣かないで…?ね?……よしよーし…」
「夕、どうした?何があった??」
「……リョウさ、…グスッ………きげん、わる、い……いやぁ…ヒクッ……うわぁぁん…」
「俺が…?…嗚呼、すまない。春のことばかり呼ぶから嫉妬した…。怖がらせてごめんな…」
深呼吸して自分を落ち着かせた後、夕の頭を優しく撫でる。撫でているとすり寄ってくるのがとても可愛い。優しく抱きしめてあげると段々と落ち着いてきたようだ…。
「落ち着いたか?」
「熱が出るといつも記憶なくなっちゃって不安なんだよね…?大丈夫だよ……体調良くなって良かったね…」
「うん……ふたりとも、ありがと、なの…」
「夕、明日水族館に行かないか?」
「…いいの?」
「嗚呼」
「…いきたい!」
熱が下がったばっかりだから、今日はゆっくり休んで、明日、水族館に行くことした。春は『デートの邪魔しちゃ悪いから』と言っていた
夕と二人で初めてのデート。ちゃんとエスコート出来るだろうか…。それだけが不安だった。
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