18 / 454

第18話

前言撤回。 やっぱりこのイケメンの事は別に何も知らなくてもいい。 芸能人だから遊んでそうっていうのは思っていたけど、やっぱり期待は裏切らないんだなって事がよく分かった。 (翔平はこの人の事、真面目で誠実でって言うてたけど、こんな馴れ馴れしくしてくるなんて、相当遊んでるに決まっとる!!) でも、こんなに格好いい人に実際に会えるなんて、人生で一回あるかないかだし、今日は来てよかったのかな。 そんな事を思っていたら、タイミング良く翔平が戻ってきた。 そろそろ終電の時間だからと、そのままお開きとなった。 皆帰り支度を始めて、二次会へ行く者は準備をしていた。 翔平は俺の気付かない間に相当飲んでいたみたいで、今まで見た事がないくらいに酔っ払っていた。 俺はフラフラになっている翔平の手を引いて、無理矢理歩かせた。 「えー?もう帰んの〜?やだ〜」 「何してんねん翔平!お酒弱いんやから、飲みすぎたらあかんやろ!」 「だってー、みんなに会えたの久々で嬉しいんだもーん」 「ぎゃっ!」 翔平は俺の肩に腕を回して羽交い締めにしてくる。 俺と翔平は頭一つ分違うから、容易に翔平の腕の中に包み込まれてしまう。 「もう、離せや酔っ払い!」 えへへ〜、と翔平は顔を近づけてしばらく離さなかった。 酔うとくっつきたくなるみたいで、いつもの事だからそのままにしておいた。 頬が押しつぶされてタコの口になっていると、なんだか視線を感じて、フッと顔を上げた。 景が、店の前に設置されたベンチに座って煙草を吸いながら、俺の事をじっと見つめていた。 翔平は千鳥足になって、俺は揺さぶられてしまうけれど、その景の視線から目が離せないでいた。 (あぁ、もしかして、アホみたいやなと思ってるんやろか……こうやって改めて見ると、ホンマにカッコええな……) そう思ってると、景は煙草の火を消して、こちらに歩み寄って来た。 「修介。連絡先交換しようよ?」 俺は未だに翔平に抱きつかれたままだったけど、まさかそんな事を言われるだなんて微塵も思ってなかったから、すぐに反応出来なかった。 「えっ?あ、もちろん!」 俺たちはスマホを出して、お互いの番号を交換した。藤澤 景という名前と番号が俺のスマホの画面に表示されると、なんだか胸が高鳴った。 凄い。俺、芸能人と番号交換してしまった。

ともだちにシェアしよう!