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第139話 side翔平

「何でそんなに修介の事で余裕無くしちゃってんのー? あ、もしかして、修介くんに本気の恋しちゃってるから〜?」 天下の藤澤 景をこんな風にするなんて、修介も罪な奴だよなぁ。 呑気にそう考えていたら、予想してなかった反応が景から返ってきた。 『そうだよ』 全く恥じらう事もせず、こいつはそう言った。 俺は5秒くらい思考が停止して、またハッと気付いてからその意味をようやく理解した。 こいつ、修介に恋しちゃってるの? 「え、マジで?」 もしそれが本当なら、修介と両想いって事になんの? 『マジだよ。だから連絡取ってよ。すぐに話したいんだ』 俺は目を見開いた。 途端に喉の奥から歓喜の雄叫びを発したい欲に駆られたけど、そこはグッと我慢して辛うじてニヤニヤしながら茶化すだけでとどまれた。 「……へぇ〜!!マージーでー!そうなの〜?へぇー!そうなんだぁぁ」 『うるさいから。早く連絡取ってよ』 「じゃあ直接会いに行けばっ?あいつ今日は家にいるって言ってたぜ?あいつの家教えてやるからさ!」 『本当?』 俺は修介の家の住所を教えてやった。 景はありがと、と言って直ぐに電話を切ろうとしたから慌てて呼び止めた。 「あっ、景!」 『何?』 「修介、瞬の事はもう何でも無いみたいだから、がっ、頑張れよっ?!」 『……ありがとう』 景はフッと笑って優しい声で言ったから、俺はニヤリとしてグッと親指を立てるサインを出してから電話を切った。 あ、これ見えてねぇか、と自分に突っ込みを入れながら、法悦の笑みを浮かべてベッドへダイブして、さとみちゃんを思い切り抱きしめた。 「翔平くんっ、どうしたの?」 「さとみちゃん……俺、奇跡を見たぜ!」 自分の事のように嬉しくて、俺はさとみちゃんに沢山愛のあるキスをした。

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