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第148話

「だから、重村くんにも感謝しなくちゃね。いてくれたお陰で、ようやく自分の気持ちに気付くことが出来たんだから」 「あの、俺、景に迷惑かけへんように頑張るから……っ」 「そんな事考えなくていいよ。修介は修介のままで。まぁ、あえて言うなら、素直じゃないところはちょっと直して欲しいかな」 「が、頑張る……」 景はニッと笑うと、右手を俺の頭に置いて形に添って撫でてから、毛先を摘んで離した。 「悪いけど、僕、こう見えて結構嫉妬深いからね。覚悟して」 「ええっ!は、はい……」 やっぱりあの時怒ってキスをしてきたのは嫉妬だったんだよね..….。 またキスを交わしてから、景は車を出した。 ドライブしている間、景は色々と話してくれた。 翔平が、電話を掛けてきてくれて俺たちの事を心配してくれた事。佐伯さんが一押ししてくれて、景は気持ちを伝えると決心した事。 改めてみんなに感謝をした。 アパートに帰ってきて、車から降りる前にもう一度軽いキスをした。 見つめ合って、笑って、もう一度キスをする。本当はもう少し一緒にいたいけど、景に負担は掛けられない。 車から出て手を振ると、景は名残惜しそうに帰って行った。 いろんな感情が入り混じる思いを胸に階段を登り、部屋に入る。 見慣れたいつも過ごしている部屋に入った途端、今の出来事が夢だったんじゃないかとまた疑ってしまったけど、未だ熱い体が夢じゃない事を物語っていた。 夢見心地のまま、フラフラと歩いてソファーにストンと座り、しばらくぼーっとした。 まさか、景と、気持ちが通じ合えただなんて……。 額に手を当てて熱を冷ましながら、スマホを取り出して、文字を打っていった。

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