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第177話*
「景……?」
「これも、くすぐったい?」
不安だったけど、痛くはない。
というか、確かにくすぐったいんだけど、それよりなんだか、甘い疼きが腹の奥から湧き上がる。
今度は親指の腹で押したり、転がしたりして、景はその感触を確かめているようだった。
「ちょっと、景……!」
「気持ちいい?」
「そんなん、いじらんで……!」
正直、気持ちいい。ムズムズしてくる。
瞬くんに触られて痛かったのがまるで嘘かのようだ。
景が指先でそれを遊ばせる度、ジンジンとそこが疼く。俺は視点の定まらない目を見開いて快感に耐えていた。
「なんで?こんなに可愛いのに」
今度はあろうことかそこに舌を這わせてきた。
その瞬間、ピリピリと身体中に電流が走って、俺は身体を弓なりに仰け反らせてしまった。
「……あっ、は……ぁっ」
景は俺のその反応を舌を巧みに使いながら見ている。右の胸を爪でカリカリと引っ掻くように弄りながら、左の胸に舌を這わせてる景と目が合って、余計身体が疼く。
ヤバイ。ほんとに、恥ずかしくて死にそう。
多分自分は今とんでもなく情けない顔をしてると思ったから、左手でシーツを掴んで、右腕を額に当てて目をギュッと瞑った。
「ちょっやめて……っ、なんか、変……あっ……んっ」
「好きみたいだね。胸」
目を瞑っていると、頭の中がフワフワし始める。
相変わらず景は飽きもせず胸をいじり続けている。
浅く熱い息を吐き出していると……
「あ、ほら、見てごらん。形変わってきたよ。ツンと尖ってる」
「!!」
そんな事を言われたから、驚きで目を見開いた。
な、なんでそんな事を口に出して言ってんの?馬鹿なの?
そんな事言って、前から薄々思ってたけど景ってやっぱり……
「S、だよねぇ……」
「……見れば分かるでしょ」
一頻り胸を弄って満足したのか、自らの上半身を起こすと、俺の体をベッドの真ん中に軽々と移動させた。
そして今度は俺の下半身の方へと手を伸ばし、俺のズボンのベルトの金具に触れた。
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