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第178話*
「えっ、ちょっ、ちょっと待てや!」
それはあまりにも急過ぎると思い、咄嗟に上半身を起こし、ベルトを外そうと両手をかけている景の手首を掴んだ。
「なんで?」
「なっ、なんでって」
「待てないよ、もう。修介、さっきから僕の事誘ってるでしょ?その格好、淫らだよ。あとそんなに顔赤くして感じてる可愛い顔見てたら、誰だって我慢出来ないでしょ」
そう言いながら景は、半ば強引に俺のベルトを外し始めた。
俺の格好が淫らって、そっちが脱がしたんじゃないか!
確かに、腕にはシャツの袖は通ってはいるけど、前は全開にはだけて、Tシャツもその機能をまるで成していなく、くしゃくしゃに首元で丸まっているけど。
ベルトが器用に外され、ズボンのチャックに指をかけられたところで俺は叫んだ。
「待て待て!ストップ!」
「……何?」
「ほっホンマに待って!あの、やっぱ電気!消してくれへん?」
こんな明るいところで下半身をバッチリ露出出来るようなメンタルは俺にはない。
景はあからさまに苦い顔をする。
「え〜」
「せめて少し明かり落とすだけでもええからっ。お願い……」
「……分かった」
多分納得いってないんだろう、景は口を尖らせ、少々ふてくされながらベッドから降りた。
部屋の隅にあるチェストの上に置いてあったリモコンを手に取り、上を向きながらそれを操作している。
景が何回かボタンを押すと、部屋は真っ暗とまではいかないけれど、先ほどよりは大分マシになって薄暗くなった。
「このくらいでいい?あっ、何で服着てるの!」
俺は景が目を離している隙に、首元で丸まっていたTシャツをきちんと着直し、シャツもきちんと羽織っていた。
だって、そのままで待ってるっていうのも恥ずかしいし。ベルトを直すまでは時間がなかったけど。
またこっちに戻ってきた景は、座っている俺の前に膝立ちになって、折角着直したシャツを脱がし始めた。
「脱いで」
今度はTシャツもしっかり脱がされて、上半身裸にされて、着ていた服はベッドの下に置かれてしまった。
ここまで来たらもう後に引けなくなった。
俺は火照った顔で俯きながら、景が着ているTシャツの袖を掴んで何度か引っ張った。
「……俺ばっかりやなくて、景も脱いでよ?」
「……いいよ」
そう言って景は自らTシャツを脱いだ。
鍛えられた上半身が露わになる。
写真で何度か見たことがあったけど、実際に目にしたのは初めてで。
細いけど、腕や腹筋ががっしりとしている。
お互い裸にボトムだけという格好で、視覚でもやられる。
この状況、すごくやらしい……!
「これでいい?」
「あっ、うん」
なかなか真正面から見れずに視線を下に逸らしていると、景は少し屈んで俺にキスをくれる。
舌を絡ませ合いながら、さっきの続きと言わんばかりに、景は俺のズボンのチャックを下ろし、そのまま両手を引っ掛けて下着ごと太腿の辺りまで無理矢理ずり下ろしてしまった。
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