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第185話*
「優しくするって言ったのに、うまく出来なくてごめん。初めての事だから色々調べたりはしたんだけど……勉強不足だった。本当にごめん。修介の事本当に好きだから。痛かったらいいんだよ。こうしてるだけでも、十分幸せだから」
景の言葉に胸がズキンと痛くなる。
俺の為に、色々準備してくれていた。
俺なんて、ただそうなったら嬉しいな、ってだけでろくに考えもしてなかったのに。
突っ走るかと思いきや、俺の事を想うあまり、途端に弱々しくなって。
景はあまりにも愛と優しさに溢れていて。
そんな貴方に愛された俺は、世界一幸せだ。
胸の内側からジワジワとこみ上げてきて、先程の痛みの涙とはまた違う、暖かい涙がじんわりと眦に溜まる。
「景は悪くないんに、なんでそんなに優しいん?」
「修介は泣き虫だね」
「……感受性豊かと言うてや」
俺は景の背中に手を回して、思い切り抱きしめた。この前みたく涙を景の肩で拭いたのはやっぱり内緒。
二人で抱き合っていると、なんだか凄く穏やかな気持ちで満たされて、さっきの緊張も解れてきたように感じる。怖さも、0じゃないけどあまり感じない。
俺は景の肩を押して顔を覗き込んだ。
「景、もう一回、してくれる?俺、さっきより大丈夫な気がする」
「え?いいよ、無理しなくて」
「これでダメだったら、また次にしよ?最後に、もう一回だけ」
「……うん。分かった」
じゃあ、体勢変えてやってみようか?と景が提案した。
また激しくも優しいキスを繰り返して、顔を離されると、耳元で囁かれた。
「後ろ向いてごらん」
俺はゆっくりと起き上がり、枕に顔を埋めるようにうつ伏せになって、景の方に脚を向けた。
景が俺の背中とお尻をじっくり見てるんだと思うと居た堪れないけれど、枕に顔をふんわりと包まれると安心した。
景がまたローションを右手に出して、卑猥な音を響かせる。
俺は肩越しに振り返って見て、またあの冷んやりとした感覚を思い返す。
先程のように手の平全体で塗りつけられたけれど、想像よりも温かかったから、緊張が緩んだ。
形に沿って掌でお尻を包んだと思ったら、景の指がまた後孔に入ってくる。今度は先程よりもキツイ感じはなくなった。慣らしたからすんなりと指を受け入れたように思う。
「大丈夫?」
「……さっきより……大丈夫」
景は左手で触れるか触れないかの絶妙なタッチで背中をツーと撫でながらキスを落とし、右手の指で中を弄っている。
背中のそれか、それとも中のそれのせいか分からないけど、なんだかゾクゾクし出して、気持ち良くなって来た。
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