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第191話
景はまた、真面目な口調で切り出した。
「修介、どうもありがとう」
「……なにが?」
「僕としてくれて。実は僕もちょっと緊張してたんだけどさ。最後、修介の気持ち、すごく伝わってきた。僕も同じ気持ちだから」
あんなに俺にいろんな意地悪しといて、緊張してたやと?
心の中で呟く。
最後って、俺が訳分からず大好きだとか愛してるとか連呼してたやつか。今考えると本当に恥ずい事してるなぁと後悔した。
「僕、前にも言ったかもしれないけど、こんなに人を好きになった事なんてないよ。修介の事、これからも大事にするから」
俺も、こんなに夢中になるなんて、初めてだ。
それにしても昨日のは恥ずかしいよなぁ、泣いてたし俺。
あとちゃんとこれから自分で後ろも弄って開発していこ。
景に迷惑掛けたく無いし……
一人反省会をしていたら、景に肘で体をつつかれた。
「ちょっと、聞いてるの?」
「えっ、あ、ごめん」
「……修介。僕、折角自分の気持ち、想いを込めて伝えてたのに……」
「え、そうなん?ごめん、も一回言うて?」
俺は悪戯っぽく肩を竦めて笑いながら、人差し指を立ててお願いした。
「もう、バカ修介。二度と言わないからね」
「ごめんごめん、お願い、もう一回!」
「やだ」
「はぁ?なんやねん、ここまでお願いしてるんに!」
「あ、何、逆ギレ?」
そんなに可笑しくもないのに、大袈裟に笑った。
やっぱり、照れ隠しだ。
この後また甘い甘いキスをして仲直りをしてから、景は風呂の準備をしてくれて、まるでモデルハウスのように水滴やぬめりが一つもついていない風呂場に連れて行かれてシャワーを浴びた。
景は俺が寝ている間に入ったようだった。
俺がシャワーを浴びている間、景は昨日作ってくれていたミネストローネと野菜がたっぷり入ったハンバーグを温め直してくれていたようで、テーブルの上に並べて待っていてくれた。
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