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第69話

「元気しとった?修介。ちゃんと一人暮らし出来てるん?」 「一応やっとるで?まぁはじめの頃は調子に乗って遊び過ぎて、親からの仕送りが足りなくなって怒られた事もあったけど、今はそういう失敗はやらかしてないし」 「へぇ。偉いなぁ、一人でこんなとこまで上京して。俺、びっくりしたんよ。高三の頃、友達伝いで修介は関東の大学行くらしいでって聞いて。どうしてもこっちの大学で勉強したかったんか?」 ドキ。 実はあなたにトラウマを残されて新しくやり直したいと思ってこっちに来たんです。 とは言えず。 「……うん!どーしても今の大学に入りたかったんよ!入って良かったで。大学楽しく通えてるし」 「ふぅん。それは良かったなぁ」 俺は瞬くんに促されて、ドリンクを取りに席を立った。 なんとなく瞬くんと同じジンジャーエールのボタンを押してグラスに注ぎながら、遠くに座る瞬くんの顔をチラッと盗み見る。 瞬くんは椅子の背もたれに寄りかかりながら、遠くに視線を送りながら人差し指と中指でタバコを挟んで口から煙を吐いていた。 景とはまた別の種類のタバコだから、初めて嗅ぐ香りだった。 高校の頃から大人っぽいなぁとは思っていたけど、なんだか色気が増していて魅力的だ。 やっぱり俺は生粋のイケメン好きなのだ。

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