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第226話*
薄目で景の方を見ると、眉根を寄せた切ない表情をしていた。
またゾクゾクし、全身が震える。
景は俺の顔の両側に肘を突くと、熱いキスをくれた。
舌も、手も、脚も、心も、何もかも景から離れたくなくて、これ以上ないくらいに密着して、体温を感じ取る。
腰を動かされると、一瞬痛みが襲うけれど、体が溶けるように、波紋のように身体中へと快感が広がっていく。
「あっ……!」
「なるべくっ、優しくするけど……また、止められなかったら、ごめんね……っ」
「んっ、ええ……よ!」
初めての時よりは上手く息継ぎは出来るけど、景の様子が前とは違い、まるで余裕がなかった。景の腰使いが、どんどん荒いものになっていく。動く度に、粘着質なグチャグチャという音が響き渡る。
「あっ……!駄目っ……激しい、よぉっ……けいっ!」
「だからっ、修介のせいだよっ?」
景は目を閉じて、額に汗をかいて、全身で俺を感じてくれているようだった。
それを見た途端、嬉しさのあまり涙がこみ上げてくる。
「……はっ、あ……ぁ、愛してる……から!」
それを聞いた彼は薄っすら目を開けて、少しだけ動きを緩やかにする。
俺の頬に片手を添えて、上から優しく見下ろしてくれた。
「そうやって、前も言ってくれたよね。繋がってる時……」
「分かって、ほしくてっ……愛しくて……っ、離れたく、ないっ」
言葉にしようとすればする程、彼への愛情を止めることが出来ず、涙と一緒に溢れ出てくる。
より一層脚を高く上げられて、景の肩の上に乗せられた。
体を半分に折り畳まれたような状態になると、最奥へと彼の猛ったものが届いてしまう。
「……あっ、あぁ……ッ!!」
「離さないよ、絶対に」
「やっ……景っ……それ、駄目……っ」
「こんなに僕の事を夢中にさせるなんて……もう無理だよ、離れられない。誰にも、見せないでね、こんな顔」
前立腺を擦られると、目の前がチカチカして訳が分からなくなる。
両手を繋いで、脚を彼の体に絡ませて、夢中で快感の波に溺れる。
さっきはあれ程顔を見られたくなかったけれど、今は彼と目と目をしっかり合わせておきたい。
俺の事だけを、その瞳の中に映してもらいたい。いつまでも。
「修介は、僕のものだよね?」
「そう、やでっ……ぜんぶ……けいのッ!」
「大事に、するからね」
泣かないで。
そう言われて親指で涙を拭われると胸が軋んで、一気に達したい欲望がゾワゾワと体の奥から湧き上がってくる。
「――景っ、もう……っ」
「ん、いいよ……」
「いっ……いっしょに……イきたいっ……」
「うん。愛してる」
「――……」
* * *
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