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第270話 番外編 ある日のイチャイチャ
目を開けると、カーテンから漏れる日差しが一筋部屋の中まで伸びていた。
瞬きを何回かしてから、すぐ目の前の人を見る。
こんな朝を迎えられたのは何度目だろう。
横向きでこちらに顔を向けて寝ている君からは、規則正しい呼吸音が聞こえてきて、何ともまぁ気持ちよさそうだ。
昨日も僕が歯止めが効かなくなってしまい、最後は無理をさせてしまった。
君は回を重ねるごとにどんどん可愛くなっていくから、いくら虐めても虐め足りない。
いつもだったら、僕は目覚めたら君を起こさないようにそっとベッドを降りてリビングへと向かうけれど、今朝はなんだかウトウトして、その寝顔をいつまでも見つめていたい気になったから、しばらくこのままでいる事にした。
顔の前に手を交差させて寝るのが君の癖だ。
エッチの最中もそうだけど、君はいつも顔を隠したがる。
こんなに可愛いんだから、もっと自分をさらけ出してほしいのに。
でも、隠されてた方が、焦らされて燃えるんだけどね。
頭にそっと手を伸ばして、優しく撫で続けた。
ストレートの髪がサラサラとしていて、まるで女の子のようだ。
こんなに可愛い男がいていいのか?
君の方こそ、芸能人って名乗っても不思議じゃないくらい、綺麗で魅力的だ。
欲を言えば、もうちょっと自分の気持ちに素直になってほしいなぁ。
つい癖で、君の髪の毛を摘んで毛先へと指を流して離すという事を何度もしてしまう。
優しくやっていたつもりだったけど、途中で唇や指先がピクッと動き出した。
慌てて手を引っ込めたけど、君の瞼が少しずつ持ち上がった。
何度か瞬きをさせた後、目の前の僕を薄目で見つめてくる。
「ごめん。起こしちゃったね。おはよう」
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