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第273話 番外編「する?」

「じゃあさ、ここにあるのは知ってる?」 景は修介の頭の後ろに手を伸ばし、長めの髪を掻き分けて前へ垂らすと、首筋をすっと撫でた。 「っ、何っ?」 絶妙なタッチで指先を動かすから、修介はゾクゾクと体を反応させてしまう。 人差し指で、一点を優しく押された。 「ここ。小さいのがポツンと。可愛いなぁと思っていつも食べそうになっちゃう」 羞恥で顔が赤く染まる。 そこを甘噛みされる事が多いなと思っていたけれど、まさかそんな理由があったとは。 「……そんなとこにあるん?知らなかった」 「じゃあ、ここは?」 景の人差し指が、背骨を沿って下へ下へと伝っていく。 腰のあたりで指を止められて、少し左にずらされてから指の腹で優しく押された。 「ここにもあるよね……」 体が少しずつ熱を持ち始めたのを悟られまいと、修介は必死で冷静を装う。 「……ヘぇ〜、そこも、知らんかった……」 「ふふっ、僕の方が修介の身体に詳しいかもね」 景はピアノでも弾くように修介の身体の上で指先を遊ばせて、腰側からウエストのゴムを引っ張り、手を中へと侵入させ、お尻のラインに沿って掌で包み込む。 指先で足の付け根部分を触り、いつも熱いモノが入る場所のギリギリ横を押した。 「あっ、何して……」 「あと、ここにもあるんだよ……?」 修介は唇を噛み締め、顔を赤く染めながら首を横に振った。 「う……嘘やっ……そんなとこ、あるわけないやろ?」 「ほんとだよ? 写真撮ってあげようか?」 「いえ、いいです……」 「感じちゃった?勃ってるみたいだけど」 「もうっ!バカっ!」 反応してしまった箇所を隠すように、体を反転させてうつ伏せにさせる。 景は構わずお尻を撫で続けながら、修介に優しく尋ねた。 「する?」 「しない」 「……する?」 「……しないって」 「しようよ?」 景は、枕に埋もれる修介の顔を引っ張り出すようにして唇を奪う。 口内に舌を入れて味わって、チュッと音を鳴らし、甘えた声を出した。 「お願いっ。あと一回だけ」 修介は恥辱の感情でいっぱいになりながら、唇を指で拭った。 「やっ、やだ!今日、何回してると思うてんねん!腰がバキバキになってまうわ!」 「何回って、まだ三回しかしてないじゃん。修介が可愛すぎて、僕の股間が言う事を聞かなくてごめんね?」 「む、無理ッ!ほんまに、勘弁して!」 「何言ってんの。こっちはヤル気満々なくせに」 「あーっ!嫌やー、やめ〜や〜!」 こうして修介は今日も、景の甘い罠へと堕ちていく。

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