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第393話 side景

修介の舌を思う存分貪る。 わざと音を出して舌を吸うと、修介の身体から徐々に力が抜けていくのが分かった。 自分の腹に感じる、修介の熱くなったところ。 可愛い。 久し振りだから、キスだけでイきそうになるくらい、興奮してしまう。 「はぁ……っ」 唇を離すと修介は吐息を漏らす。 大きな目が余計にトロンとしている。 濡れた唇が可愛くて、再度唇を噤むようにキスをした。 「消毒、終わり」 「ありがと……」 「もう間違えないでよね。全く。ドジで天然なんだから」 「ご、ごめん……」 修介も僕の胸の前に置いていた手を後ろに回してきつく抱き締めてくれる。 腕から伝わる修介の熱が凄かった。 「ベッド行く?」 僕がそう聞けば、肩に乗せられた頭が縦に揺れた。 この瞬間、きっと同じ事を考えていたに違いない。 僕は修介の手を引いてリビングを出た。 寝室に入り、カーテンを閉め切って出来るだけ部屋を暗くする。 時計は朝の八時を指すけれど、僕らはそんなの御構い無しにベッドで寄り添い、お互いを求め合った。 いつもと違ったのは時間だけじゃない。 修介が思いがけず嬉しい事を言ってくれた。 「景、どうして、欲しい?」 「……ん、何?」 それは僕がベッドに横たわる修介の白い首筋に唇を寄せて、味わっている最中だった。 「沢山、嫌な思いさせちゃったから、今日は景のしてほしい事、言うて……俺、何でもしてあげんで」 その言葉に思わず動きを止めた。 聞き間違いかと思った。 まさか君から、そんな言葉が出てくるなんて。 唇を離して、上半身を勢いよく起き上がらせた。 「えっ、な、何でも?」 僕のガッつきを見て怖気付いたのか、修介は手の甲で口を押さえながら視線を外した。 「……いや、出来る範囲でやで?」 僕はその羞恥に苛まれる君を見て顔が熱くなる。 何、なんでそんな可愛い事言ってくるの? 「本当に?言ったね?男に二言はないよ修介?」 「待って、だから、出来る範囲でやからなって」 僕のギラギラした目に気を呑まれたのか、修介は今一度確認をしてくる。 「大丈夫だよ。そんな物凄い事求めないからさ。本当にいいんだね?」 「うん。景の為に……その代わり、一回やからなっ?」 「充分だよ。僕、前から修介にして欲しい事があったんだよね。それがついに叶う日が来るなんて」 「あ、そうなん?何……」 僕はずっと胸の内に秘めていた思いを、修介に笑顔でお願いした。 「一人でシてるところ見せて?」

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