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第37話

――キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン―― 「はーい、では今日はここまでです」 チャイムがなり、古典の授業が終わった。 早々に、机を元の位置に戻す彼。 「さ、佐々木君!」 俺は、慌てて彼を呼び止める。 "何?"という表現で、俺を見る彼。 「教科書、見せてくれてありがとう」 俺が礼を言うと、 「どういたしまして」 彼は当たり障りのない笑顔で答えた。 このままだと、確実に"ただのクラスメイト"で終わる。 "それでいいじゃないか。誰とも一定の距離をとるんだろ?" 今までくっ付いていた机が、簡単に離れていくように。 "ちょっと興味が沸いただけだろ?なら、これぐらいで引いておけ" 本当に、それでいいのか?

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