56 / 140
第56話
「寺島?」
一向に足を動かそうとしない俺に、彼が近づいてきた。
そして、じっと俺のことを見る。
じっと見てはいるが……
今、この瞳は、本当に俺を見ているのだろうか?
どうすれば、ちゃんと見てくれる?
どうすれば、俺だけを見てくれる?
どうすれば、どうすれば、どうすれば………
「寺島!」
彼に肩を揺すられて、俺は我に帰った。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
56 / 140
ともだちにシェアしよう!