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第93話

俺の気持ちを嘲笑うかのように、彼は愛しむような声で続ける。 「あ、でも雅人みたいに小さくわないな。雅人の手、女子みたいでさ。白くて、小さくて、柔らくて」 視線を、処置していた彼の手元から、彼の顔に向けると、そこには、 「でも、それ言うと雅人怒るんだ。気持ち良くて可愛い手なのに」 甘くほころんだ笑顔。 俺の淡い期待が、彼の手によってたおやかに折られた。

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