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第94話

俺を心配していた訳じゃない。 俺を気にかけていた訳じゃない。 俺を見ていたんじゃない。 彼は、俺を通して、雅人を見ていたのだ。 今までも、これからも。 結局は、雅人なのだ。 "寺島" 彼が呼ぶ声も、 "寺島" 彼が向ける笑顔も、 "寺島" 全て、 "雅人" へのモノなのだ。

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