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第100話

「……なので、このwhichは関係詞にあたり……」 マリーの授業を聞きつつ、彼女の目を盗んでスマホを見る。 {話がしたい。昼休み、一緒に図書館の資料室に来てほしい 週明けの今日。 俺が教室に入ると、彼はすでに席についていて、数人のクラスメイトと喋っていた。 先日の席替えで、彼は窓側、俺は廊下側。 離れた席から僅かに聞こえてくる会話は、彼の体調を心配するものだった。 いつもであれば、すぐさま彼のところへ行くのだが、昨夜も見た悪夢のせいで、どうしても足が動かなかった。 気持ちだけ()いていた。 謝らないと。 伝えないと。 その為には、彼に話す約束を取りつけないと。 そんな中、3限目の終わりに彼からライ◯がきた。 そこには、いつも通りの簡素な文章。 それを見て、少しホッとした俺は、すぐに"分かった"と返信した。

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