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第101話
――キーンコーンカーンコーン……――
「はい、じゃあーここから最後までの訳が宿題ね」
マリーの言葉を聞いて、委員長が号令をかけ終わると、一気に雑音が教室を埋め尽くした。
せわしなく動く心臓をどうすることもできず、教科書を片付けていると、机の上が薄っらと暗くなる。
「……て、寺島」
固い彼の声に、ドッと汗が出る。
俺は、彼の顔を見ず、無言で立ち上がった。
「……いいかな」
そう言うと、彼は雑音が続く廊下へと足を進めた。
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