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第114話
俺は立ち上がり、くしゃみが聞こえた方へゆっくりと近く。
まさかな。
そう思いながら、本で埋め尽くされた棚が並ぶ間を覗くと………やっぱりか。
「……まさと、と、こもり、さん?」
そこには雅人と、何故か小森さんも一緒にいた。
似た者夫婦とはよく言うが、かわいい顔立ちの二人が、同じような表情でこちらを見ている。
まるで、巣穴から出てきたミーヤキャットだ。
って、それよりも雅人だ(何故小森さんがいるかも大いに気になるが…)。
ブラコン、ブラコンとは思っていたが、まさかここまで付いてくるとは。
ただ、ずっと隠れていたと言うことは、彼は雅人がいることを知らなかったのか?
まぁ、直接本人に聴けばわかることか。
「とりあえず、二人とも、こっちに出てこようか?」
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