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週明け月曜日

 どれ程快楽の海に沈んでいたのだろうか。  気がつくと、身体の節々が痛くて仕方なかった。  久しぶりにゆっくり眠れたらしく、  頭は大分クリアになっていた。  空いたカーテンから差し込む日の光が  眩しくて仕方ない。  時計をみると、朝の7時を指していた。  結局、あつしにはあの日と次の日、  計2日構いまくって貰い。  何となく竜二のタワマンには帰りずらくて  日曜の夜は幼なじみの寮室へ泊めて貰った。   「―― なっちゃん。朝だよ!!」 「ん……あと10、分……だけ……」 「だーめっ! いっつもそんなこと言って  時間通り起きた試しないじゃん」 「う~ん……じゃ、あと ――」 「今すぐ起きないと今朝は朝ごはんなしだよ?   あーぁ、せっかくなっちゃんの大好きな  特製中華粥作ったのになぁ……」  寮にも食堂はあるが、寮室にも簡素なキッチンが  付いており、寮の賄い食か自炊かは入寮生個人の  裁量に任されている。    「あ”ーーっ。ったく、起きればいいんだろ。  起きれば」  七都芽は  この室の主・安倍めぐみに起こされた。 「……なっちゃん。昨夜はまた会長のとこに  行ってたの?」   「ううん、昨夜は別口」  七都芽は、答えながらベッドから起きた。 「来年は卒業なのに、そんなんでいいの?」  めぐみとは初等部から一緒なので気心が知れている。 「へへ ―― 俺って案外流され易かったみたい」 「笑い事じゃないでしょ」  まだ何か言いたそうなめぐみに 「着替えてから行く」  と、言葉を遮る。  めぐみは”しょうがないなぁ”といった感じで  軽くため息をついて。 「じゃ早く来てね。」  めぐみが心配顔で私室を後にしたのを見て、  学ランに着替えて顔を洗い、LDKに行くと  めぐみは既に朝食をテーブルに並べていた。 「何か手伝う?」 「んじゃ、玉子スープ、器に入れてくれる?」 「了解」 「「いっただきまぁす!」」  手を合わせて食べ始める。  朝食を済まして食器を洗い寮を出て登校。  めぐみとはクラスが違うため昇降口で別れる。  この学校は第2の性に関係なく、  成績優秀なれば”特進クラス”と呼ばれている  S組へも入れる。  大企業の社長令息や令嬢・大物政治家の御曹司  等が多く在籍する為、S組は家柄重視だが。  七都芽のような中産階級出身の生徒でも  成績が優秀なら条件付きで入る事が出来る。  教室に入り自分の席に座って、  もう”愛読書”と化してしまった、  星蘭大学医学部受験用の赤本を開く。  金曜の午後に発情して以来、  2夜続けで抱かれていたせいか、  発情の影響はかなり薄れてはいたが、  今日は念の為に単位がぎりぎりの化学と古文の  授業だけを受けて、早退するつもりだ。

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