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後から悔やむ
宗方が物陰に腰を下ろし、俺はしがみついていた手を緩めた。
「こんな姿で帰れないし……今日は友達の家に泊まるって連絡しよう?音羽の家はそういうのうるさい方?」
「大丈夫……だと思う。友達の家に泊まった事ないから分かんないけど……」
「駄目だったら俺に代わって?何とか説得してみるし……」
「……うん」
荷物からスマホを取り出し母さんに電話をした。
ドキドキしたけれど、意外にあっさり許可は貰えた。
迷惑を掛けないようにと、そちらの家の親御さんにしっかりお礼を言うようにと釘をさされ……親に嘘を吐いている事に胸がチクチク痛んだ。
「ふぅ……大丈夫だった」
「良かった。じゃあ俺も連絡入れとくか……」
家に電話をする宗方の姿を見ながら罪悪感に押し潰されそうになる。
頭上の耳、金色の瞳、チラチラと見え隠れする牙、抜けないぺニス……それら全てが俺のせい。
「宗方……俺達本当に獣人になっちゃったのかな?」
「そうみたいだね」
宗方が頭上の俺の耳に噛みついた。
ビクビクと動く耳……飾りじゃない……本物の耳だ。
「ごめん……こんな事になるなんて……本当に獣人になるなんて思ってなくて…ただ現実から逃げ出したいのを発散させてただけなのに…宗方まで巻き込んでごめんなさい」
本気で獣人になる気なんてこれっぽっちも無かったのに…。
堪えていた涙がこぼれ落ちた。
「泣かないで?食べたのは俺の意思だ…音羽に食べるさせたのは俺だし……そりゃあ……本気で獣人になるなんて思って無かったけど、音羽と一緒ならそうなっても良いかなと思ってたんだ」
「何で怒んないの?いつ戻れるかも分かんないんだよ?一生このままだと人前に出れないんだよ?」
優しい手のひらが頬を撫でて涙を拭う。
どうしてそんなに落ち着いていられる?
自分のしでかした事だけど、この先の未来は暗いものでしかない。
でも……非現実的なこんな状況で取り乱し暴れたりしないのはきっと宗方が一緒に居てくれるおかげだろうな。
「音羽こそ怒んないの?俺、音羽を強姦したんだけど?」
中でピクピクと宗方のモノが小刻みに動いた。
「んぁ……動かさないで……これは…俺も…その気になったって言うか……無理やりだったけど同意と言うか気持ち良かったし……あっ!」
また宗方のモノが大きくなった。
「そんな可愛い事言わないでよ……せっかく落ち着いてきてたのに……」
抱き締められて、胸に顔を押し付けられた。
いまだ離れない体……。
俺達……本当にこれからどうなるんだろう。
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