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第1話
俺の暮らしている蝶族達の村。
その村をまとめていたリーダーが体調を崩した。
みんなで一生懸命看病をしているが、リーダーの体調は日に日に悪くなっている。
今日もリーダーを看病し、空いている時間で病気を治す方法を調べ、短時間の休憩をするために自宅に戻った俺は、昔のある記憶を思い出した。
俺も昔、体調を崩した事があった。
あの時は確か、お母さんが持ってきた薬を飲んだら治った。
そうだ・・・俺はお母さんに訊いたんだ。
「誰が作ってくれたの?」って、そしたらお母さんは・・・
「この村の近くに薬に詳しい方がいるのよ・・・ねぇ、ファビアン。もし、あなたがこの薬を作ってくれた彼に用事ができた時は、人族を頼りなさい・・・決して1人で行ってはいけませんよ。」
って、言ったんだ。
その次の日、お母さんはいなくなった。
俺が、生活できるぐらいの財産を残して行方不明になった。
無意識に思い出さない様にしていたのかも知れない。
だって、覚えていたらリーダーの病気を治す方法も直ぐに思いついた。
「薬を・・・もらいに行こう。」
お母さんは、人族に頼りなさいって言ってたけど俺はもう大人だ。
誰にも迷惑をかけないように、俺は夜中にこっそり森へ向かった。
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