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第4話~運命の番~

どのくらい寝ていたのだろうか・・・ 成は初めて人肌のぬくもりで目を覚ました。 抱きしめていた綺麗な男はまだ眠っているようで動かない。 サラサラの髪に触れながら 「・・・良かった・・・生きてたな」 ぽつりとつぶやくと、ピクリと動いた。 すると、眠っていた男がゆっくりと目を開けた。 どうしていいかわからない成はただそのまま動かなかった。 綺麗な男の瞳は引き込まれそうな青い色。 相手もこちらをみたまま動かない。 お互いが動かずそのまま見つめ合っていたが、先に口を開いたのは 綺麗な男の方だった。 今は傷が多いが、白く細い綺麗な手が ゆっくりと成の頬から耳へと触れてくる。 成は一瞬驚いたが、気持ちがいいのでそのままでいた。 すると、男の目が潤み涙が溢れてきた。 逆に驚きおたおたし始めると、くすっ、とほほ笑みこう言った。 「・・・ほんとに・・・いた・・・やっと・・・逢えた・・・」 成は戸惑う。 実際、逢ったことなどない・・・ 人とこうして触れ合うことがはじめてなのに、 やっと、逢えた・・・と言ってきたこの男はいったい・・・ 成は触れていた手をそっと握りしめた。 その手は昨日と違い暖かい。 「俺は・・・お前の事は知らない・・・」 「・・・うん、でも、俺はあなたの事を知ってる・・・」 震える声でそう言いながら白く細いその手が耳から首、そして鎖骨へとさが 不思議に思い質問したその時、成の体の中で何かがはじけた。 ドクンと心臓が何者かに掴まれたような感覚のあと全身がざわつく感覚に襲われた。 ・・・熱い・・・身体が・・・何かが自分のなかで暴れだす・・・ 「・・・っうっ・・・」 なんだろうこの感覚は・・・熱い・・・体中が熱い・・・ 成の頭の中では熱いという感覚しかなかった。 腕の中にいた男は少し驚いた表情ではあったが、成の手を強く握りしめこう言った。 「あなたは俺の運命の番・・・あなたは俺に欲情してる・・・だから怖くない。ねぇ、分かる?ほら、ここ・・欲情・・・いや、発情してるんだよ・・・」 やけに落ち着いた口調で話しかけてくる。 自分は半獣人のはず・・・だが、 人の肌だった胸元は金色と茶色の混ざった毛がうっすらと生えている。 こんなことは初めてだった。 成の一族は狼だった。なので、彼がもし、完璧な獣人なら狼なはずである。 成は間違いなく狼の獣人なのだ。 美しい金色の狼。 そんな、成の事を愛おしそうに見つめている男の瞳を見つめると 彼は嬉しそうに、 「ほら・・・やっぱり、あなただ。俺はあなたに逢いたくて、恋焦がれて今ここにいる。だから、お願い・・もし今他に誰も番がいないのなら、俺をあなたの番にして欲しい・・・」 懇願され断る理由は見当たらない。 成は静かに聞いてみた。 「お前の名は?・・・俺は成だ」 「俺は、コハク・・・琥白なんだ。成、覚えて、そして俺の運命の番になって・・・」 涙を流す琥白は、成の唇に自分の唇を重ねる。 成にとっての初めてのキス・・・ 戸惑う成・・・ しかし、本能は知っていた。どうすれば相手が喜ぶのかを・・・ そして、自分が気持ちよくなるのかを・・・ 琥白から、舌を絡めてくる。 熱い舌・・・成は夢中に彼の唇をむさぼる。 お互いの唾液が唇の端からあふれてくる。 「・・・んっ・・・はっ・・・」 攻めてくる琥白・・・ 成は頭の中が真っ白になっていた。 ただ、求められたら返すしかない。 絡められるその舌を自らも絡み返す。 琥白の熱い舌は奥に奥に入ってくる。 ・・・甘い・・・この甘いキスは堪らない・・・ 細い肩を抱きよせる。 そのまま押さえつけ、琥白の胸を・・・肌を・・・むさぼるように 喰らい始める成・・・ 初めての性行為に興奮している。 「・・・お前・・・壊しそうだ・・・」 自分より細く、華奢なその身体を抱きしめると 抱きしめ返してくれる。 ・・・気持ちいい・・・欲しい・・・この男は俺のモノになるのか・・・ そんなことを思うと体が止まらない。 「・・・成・・・ここ・・・触って・・・成・・・」 泣きながら懇願される。 琥白の高ぶりからあふれているそれで濡れている。 「ここ、濡れてる・・・気持ちいいのか?」 コクコクと首を上下に振ると再び抱き着く。 恐る恐る琥白の蕾に触れる。 既に濡れているそこは成の指をやすやすと受け入れた。 ズブリとはいった成の指は奥へ奥へと入っていった。 「あっ・・ふっぁ・・・それ、ちっょうだい・・・成のそれ・・ちょうだい・・・」 腰を振りながら成を誘う・・・ 「くっ・・・待て・・・これ・・・いいのか・・・」 自分のそそり立った高ぶりを琥白の蕾にあてがう。 「はぁ・・・そう・・・このまま・・・きて・・・」 誘う琥白の声と同時に琥白の中に入った。 「あぁ・・・・せ・・・・い・・・あぁ・・・」 琥白の声が気持ちいい。 琥白の中に入った途端、身体の中で自分のそれが変化したのが分かる。 「・・・うっ・・・なんだ・・・これ・・・」 熱い身体が騒ぐ・・・ 迷うことなく琥白が答える。 「・・・獣の・・・モノに・・・なってる・・・うれし・・・い・・・」 確実に成の高ぶりは琥白の中で形が変わった。 最後までイカないと元には戻らない。 子種を残さなくてはならない・・・その本能が琥白の中で目覚めた。 そんなことは気にせず、無我夢中で腰を振る。 初めて人に触れ、初めて性行為をする。 そんな成が喜ばせる・・・などという行為は分からない。 ただ、夢中で琥白の中をつきまくった。 壊れるのではないだろうか不安にはなったが、 初めての発情で収まるわけがなく、何度も何度も琥白の細い身体を 揺さぶり、突き上げる。 「あっ、あっ、せ、い・・・おれの・・・成・・・はっ、あっぁぁぁ」 かすれている声 その声さえも成の耳には心地がいい。 何度も突き上げ、成のそれはピークになる。 琥白も涙と唾液でグダグダになっている。 その姿さえ、綺麗だと思う。 乱れた琥白の中に何度も吐き出した。 なかから、溢れ出しても止まらない。 揺さぶり、突き上げながらその涙と唾液をなめとる成 嫌がることなく嬉しそうな琥白は成にしがみつく。 「・・・お前・・・綺麗だな・・・俺のでいいのか・・・」 「んっ・・・あっ・・・いい、成・・・俺は・・・成の・・・だから・・・」 お互いに熱くなった肌がぶつかり合う。 途中で仰向けだった琥白をうつぶせにして、まだ収まらない高ぶりを 再びねじ込む。 悲鳴に似た声が上がるが、止まらない。 「せい・・・せ・・・い・・・俺を・・・あなたのにして・・・」 とぎれとぎれ言葉を出すと、身体は分かっている。 琥白の白い首は目にはいる・・・ 成は無意識のうちに噛みつく。 血が滲むほど力をいれる。 白い肌から赤い雫はこぼれる。 「うっ・・・」 琥白が痛みに耐えるように声を出すが首から、離すことが出来ない。 「・・・これ・・・で・・・俺は・・・成の・・・番・・・」 意味が分からなかった。 だが、どうやら、首に噛みつくことで琥白は成のモノになるようだった。 嬉しくて、また、高ぶりが反応する。 「・・あっ・・・また・・・せ・・・い・・・」 「・・・すまん・・・止ま・・・らない・・・」 もう、何度も琥白の中に出していたが再び反応し、収まる兆しはない。 その日、成は、最後、琥白が意識をなくしても、何度も何度も揺さぶり中に吐き出した。 落ち着きを取り戻した成は自分と、琥白のはきだした白濁でべとべとになっていた。 ぐったりしている、琥白の頬を撫で満足気に髪をなでる。 「・・・お前は・・・俺のだ・・・もう・・・一人にはさせない・・・琥白・・・かわいい・・・」 自然に思う事が言葉になった。 生まれて初めて誰かと共に夜を迎え、そして愛し合あった。 こんなことはないと思っていた成は、何もかも初めて経験し しあわせとはこんなにも心地がいいものだろうか・・・ 落ち着きを取り戻したのか身体も元に戻っていた。 運命の番・・・と琥白は言っていた。 成は何も知らない。 番の事も、自分自身の事も・・・ 言えるのは半獣人、という事だけ。 でも、彼が運命というのなら受け入れたい。 そして、彼をもっと、もっと愛したい。。。 彼が嫌だといっても、自分はもう、手放せない。 琥白は起きたらなんというだろうか・・・ 半獣人の自分の事を探していたと、言っていた。 自分は知らない。 彼が起きたらまず、一緒に風呂に入ろう。 そして、知らないことも沢山話そう。 琥白はどうして自分の事を知っていたのか・・・ だが、彼の事を もっと、愛したい。 もっと、もっと琥白に甘えたい。 これからいったいどうなるのか・・・ 分からない事ばかりだが今は休もう。 隣で寝ている銀髪の綺麗な琥白が目を覚ましてから いろいろ考えよう。 そんな、幸せな気持ちになりながら 成は琥白を抱きしめ眠りについた。

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