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獣欲にまみれた雄蕊

まだ発情すらしていない幼い雌蕊の放つ甘い匂いに、義継はすっかり情欲の虜になっていた。敷布の上に華奢な体を縫い付け、裾を割り内股に手を滑らせながら、嫌がるゆうを力ずくで押さえ込み、そのうぶで柔らかな唇を思う存分吸い続けていた。 ゆうの眦は涙でししどに濡れていた。決して泣くまい。己の誇りにかけ必死で涙を堪え、込み上げてくる吐き気にも必死で耐えていた。 「男でも、やはり雌蕊。もうこんなに濡らして・・・」 「どうか、お許し・・・っあ・・・ン・・・」 形ばかりの小さなへのこをやわやわと撫でられ、ゆうの口から思わず甘ったるい声が漏れた。竿の先からは先走りの淫水が次から次に零れ 、義継はそれを獣のような眼差しで昂然と眺めた。 「伊達の小伜も聞けば雄蕊だそうだ。わしの子種を孕んだそちを、小伜に献上する。妙案だと思わぬか?田村御前は今だ跡継ぎを産めない。そちが小伜のお手付きになり、わしとのややを、奴の跡継ぎとして産めば良いのだ。それでそちの気も晴れるだろうよ」 「そのようなこと、誰もお許しにはなりませぬ」 「許さんでもよい」 ぐにゅぐにゅと上下に強くしごかれ、声にならないか細い悲鳴を上げるゆう。 座敷内に甘い蜜の香りが充満していく。 発情期でもないのに、ゆうの体はどんどん熱くなっていった。 我を失う前に。 本懐を遂げなければ。 畠山家には雄蕊があと二人いる。 たとえ主人を喪っても、この乱世をきっと生き残れるはず。 ゆうは隠し持っていた懐刀を、義継に悟られないように背中へとそっと回した。

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