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難癖ばかりの獣達 10

獣人課に戻ると多田野が座っているデスクと離れたところに亀獣人が座っていた。銀縁の眼鏡をかけネクタイは紫色と奇抜な色をしている。 「今日からこちらでお世話になります、多田野良輝です。よろしくお願いします」 自己紹介をしてお辞儀をし、顔を上げた。皺いっぱいに笑い、多田野を迎える。 「どうも、亀内です。君が多田野くんだね、これどうぞ」 茶色い紙袋を渡される。紙袋の紙が硬めの材質に高そうな雰囲気、ブランドは分からないがきっとお菓子の詰め合わせだ。 「あ、ありがとうございます」 突然のプレゼントに驚きながら受け取る。中にはラッピングされた大きな箱とリボンがついた長方形の中ぐらいの箱が入っていた。 中身が気になったがここで開けるわけにもいかず、更衣室のロッカーに持っていき帰ってくれば亀内と豹賀が外出の準備をしている。 (亀内さんは、また出かけるのか……忙しいんだな) 外出の準備をしつつ前に座っていた豹賀はパソコンの画面を見ながら深いため息をついた。どうしたんですか、と声をかければぶつくさ独り言のように呟く。 「ちょうど向こうに着いた頃に雨が降る。日頃の行いが悪いから雨が降るんだ」 豹だから猫のように濡れるのが嫌なんだ。雨雲レーダーを見ては帰ってくる時にも降るじゃないかと悲しげに呟いている。 「いやいや、そんなことないですよ。きっとやみますって」  多田野なりにフォローしたが、ブツクサ言いながら豹牙は出て行った数十分後、予想通り雨が降り始めた。 (すごく嫌そうに雨の中歩いているんだろうな) 豹賀の行動を想像して笑った。

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