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3.俺の従弟のメイド服文化祭と声我慢×××②

 皐月くんのクラスでひらひらのメイド姿の皐月くんにコーヒーを出してもらって、『僕、着替えてくるからまた後でね』とウインクしていった皐月くんを尻目、大輔と一緒に中学生に囲まれてインスタントコーヒーを嗜む。心なしか、いや、結構注目されている? やっぱり、この年で中学生の文化祭は無理があったか。それとも大輔がイケメンだからか。コーヒーを飲む時のクールに背筋を伸ばしたそのなりも、こんな場所でも様になるなぁ。思ってじっと大輔を(無意識に)見つめていると、俺が黙って大輔に見惚れているのが可笑しくなったのか、大輔が『ふっ』と小さく吹き出す。 「お前な、だからそうやって人のことすぐ見つめるなって」 「えっ、あ、ああ。だって大輔、こんなとこのコーヒー飲んでても様になるなぁって」 「惚れるなよ」 「うーん。俺が女の子だったら、とっくの昔に惚れてるよ」  言いながらスティックシュガーの袋を手元で遊ぶと、大輔は難しげに眉をまげて、それからゴホンと咳払いをした。それから急に、突然に驚きの話題を繰り出す。 「で、東雲。お前、皐月とはどこまでいってるんだ」 「ぶほっっ!!?」  再び口にしかけたコーヒーを吹き出す。ニットにまで吹き飛んで、服とテーブルが汚れてしまったから、あせあせとおしぼりで服から拭きながら、同じくおしぼりでテーブルを拭いているなんてことない顔をした大輔に大きな声をあげてしまう。 「こんな所で、なんてこと聞くんだよ!!」  と、声をあげている俺はやっぱり見事に墓穴を掘っている。かっこわらえない。『なんてこと』と言った俺に、大輔は半分可笑しそうに、半分眉をまげて、言葉を返してくる。 「『なんてこと』って、東雲。やっぱり疚しい所があるんだな?」 「あっ……いやっ、だ、大輔嵌めたな!?」 「鎌かけたっつうんだよ、バァカ」 「うぅ、酷いよ。てかいや、俺、犯罪者じゃないから! 皐月くんが幾ら可愛い美少年だからって、手ぇ出したりしてないからな!?」  そう、手を出しているのではない。出されているだけだ。俺は被害者なのだ。おまわりさん、そうですよね(空に向かって)? いや、そうに違いない。大輔は『あぁ、そうかよ』と空返事を返しては、人の話を聞いていなかったように続きを話す。 「お前、昔から男にモテるからな。相手が中学生だからって油断すんなよ」 「そりゃあ、俺だっていつだって油断してるわけじゃないけど、」 「お前のことは、目の届く範囲でなら俺が守ってやるから」 「えっ? アハハ、何言ってんだよ同級の男相手に」 「……俺が、冗談で言ってると思うのか?」 「だから、冗談じゃなかったら何なんだよ」 「東雲、俺はな、本当に……」  大輔の秀麗な目元にじっと捕らえられて、思わぬ大輔の真面目な視線に息を飲んだ時であった。クラスの中の仕切りの裏手から、学ラン姿に地毛のショートヘアになった皐月くんが、俺たちの前に駆けて来る。 「お待たせ、って、あ! 柳さん、服にコーヒー付いてるよ?」 「あっ、ああ、皐月くん、お帰り。仕事はもう終りなの?」 「うんっ。後は三時に教室の片付けして撤収……ん、何をそっちの人は難しい顔してるの?」 「……別に」 「そう、別にどうでも良いけどね。それより柳さん、そんなお絞りだけじゃちゃんと取れないよ、一緒にトイレ行ってこよう?」  大輔は、何を言いかけたんだろうか。可笑しな気分になって少し肩を竦めて、それからじっと俺の顔色を見ている可愛い従弟の皐月くんに笑い返す。 「それもそうだね。大輔、俺ちょっとトイレに行ってくるから待っててくれるかな」 「分かったよ、さっさと行って来い」 「じゃあ、ちょっと失礼しまーす鏑木さん」  最後に勝ち誇ったような顔をして、皐月くんは俺を立ち上がらせては学校のトイレへと、俺の背中をぐいぐい押して連れて行った。 ***  トイレに着くと入り口付近の水道で、ハンカチを取り出してそれを濡らしてニットを拭う。その横で、タイルによりかかった学ランの皐月くんがどう言う意味か目を細めて、俺に話しかけてくる。 「鏑木さんと、どんな話をしてたの?」 「ん? どんなって???」 「普段の柳さんが、お友達とどういう話をしてるのか、僕だって興味あるんだ」 「ハハ、なんだそれ。まあ、今日は勿論皐月くんの話だったけどね」 「僕のこと、鏑木さんは何か言ってなかった?」 「何か、って……あ」  『皐月とはどこまでいってるんだ』との大輔の言葉を思いだし、普段の中学生との淫行を思いだし、俺は一人で勝手に頬を染めて黙り込んでしまう。その様子に皐月くんは、益々(今度は上機嫌に)目を細めて『ふふ』と笑う。 「なんだか柳さんが可愛いから、僕、その気になっちゃった」 「は?」 「ちょっとこっち来て、」 「えっ、トイレ? 皐月くん、トイレなら流石に一人でっ」 「柳さんは相変わらず、頭の中がお花畑だねぇ。僕は『その気』だって言ってるんだよ?」 「はっ……えっ、嘘だろ!? まさかっ」  とか何とか言っている内に、皐月くんにトイレの個室に押し込まれて鍵をかけられる。さすが私立中学校。清潔感のある嫌な匂いのないトイレである。が、今はそれはどうでもいい。『後ろ向いて』と促されて、というか無理矢理向かされて、腰をぐいっと掴まれ突き出さされる。目にも止まらぬ早業で、俺の自慢のチノパンを中の下着ごと下ろされる。それでも目を白黒させている内に、くぱ、と双丘を割り開かれて、トイレの冷たい空気に俺の双丘の奥は、ヒクリ、とひとつ伸縮した。 「……今日はローション無いから、いっぱい舐めて解してあげる」 「えっ、ええっっ!? ひゃっっ!!」

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