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5.アクマで鬼畜な麗しの従弟のお仕置きプレイ③

 そう言われても、と、身体を横にしたまま身を捩った時、ピリっと、ジンと、ナカに入ったエネマグラがちょうど、俺の開発済みの前立腺をグッと押した。これは、不味いぞ! 思った時にはもう遅く、エネマグラをひり出そうとお腹に力を入れて見たらそれが逆効果で、まだ同じような刺激が俺の股間にビリビリと伝わって、 「んぁっv!!? へっ、あっv あ、や、これ、さつきくんっ!?」 「あ、来た来た。僕は上を弄ってあげるから、柳さん、思う存分堪能してね?」 「えっ、ひぃっv」  皐月くんはボスンと俺の隣に寝転んで、そちらも開発済みの俺の乳首に、Tシャツを捲って赤子のように吸い付いてくる。ちゅうう、と吸われると堪らなくて、アナルのナカはジンジンジンジン疼いて疼いて堪らなくって、俺の股間は立ち上がってだらだらと先走りをこぼし始める。 「あァっんっv ひぁv やっ、うしろやっ……!!」  エネマグラがうねうねと、生き物のように中で動いているようだが、違う。動いているのは俺の下半身だ。無意識に快楽から逃げ出そうとするように、ケツ穴を絞めたり緩めたり、それが逆効果なのに、俺はなかなか気がつかない。いいやむしろ、もう俺は、その医療器具に夢中になっていて、乳首を緩やかに刺激してくる皐月くんに胸を突き出して押し付けるようにピンと背中を張って、手首だけが理性的に、快楽から逃げ出そうとガシャガシャ金属音を立てている。エネマグラの刺激は、目に見えて強いものに変わっていく。頭の芯が痺れる。こんな、こんな快楽、皐月くんに抱かれる時も、大輔に抱かれた時も、こんなわけのわからないこと、無かった。 「あっ、ああ、あアああああーーーーっっv!!?」  絶叫して、ビクビクっと腰が跳ねて、俺は果てた……筈だった。目を張って、乳首から顔を離して俺の地味な顔面を眺めてうっとりしている麗しい皐月くんと目が合って、それからまだ続いている快楽に『ひっ、ひぃっ』と恐れるような声をあげながら自分のペニスをみる。そこは勃ち上がって、信じられない位の量の先走りを溢れさせているが、決して精液を放つことはしていなくて。あ、これ、覚えがある。おれ、ドライでイかされてるんだ。皐月くんとの淫らな行為の数々の際に覚えさせられた知識で遠い頭、考える。でもあの時、皐月くんに根元を掴まれ後ろだけでいかされた時には終りがあった。ナカで勝手に蠢いて、抜けるつもりのないこの物体からの快感には、終わりがない。そう、皐月くんが許可してくれるまでは。 「あっv あ゛っvv や、もっ、イって、やぁあっっvv さつきくぅんっ!?」 「……柳さん、もう一度聞くよ」 「ぅアっ!?」  何を? と聞こうとして失敗して、俺は淫らな声をあげる。こんな、声、両親がいる時には絶対にあげられない声だ。と、いうかさっき絶叫し過ぎて、お隣に聞こえていたらどうしてくれよう。そんな思いも空しく一瞬で消え去って、俺は終わらない快楽に溺れる。下半身を丸出しで、ビクビクと震える俺に寄り添った、皐月くんが何か言っている。 「誰と、ラブホテルに泊まったの? そこで何があったのかな、」 「あっ、アーーーーv ひぎっv ら、らめっ、らめぇっっvv!!」 「聞いてる? 柳さん。答えてくれたらソレ、取ってあげるかもよ?」 「う゛っ、ぁ、だっ、だいっっ、ひゃうっっvv」 「『大』? もしかしなくても、あの男……鏑木さん?」 「アッ、あっ、あvv うっv」  『うん』と言おうとして首を縦に振るだけして、やっぱり快楽に全身を震わせる。皐月くんが『へぇ』と冷たく言い放って、なんとぐいっと俺のケツ穴に入ったエネマグラを、更に押し込んできたから『ーーーっっv!!?』と声にならない声をあげる。まただ、また、ドライでイかされた。 「で、抱かれたんだね? あの男に、僕以外の男に」 「ーーーーはっ、ぁーーーーーvv」  涙でぐちゃぐちゃの顔で、やっぱり首を縦に振る。快楽は終わらない。皐月くんが抜いてくれるまで、ずっと、ずっと。思っていたらやけにあっさりと、ずる、とエネマグラを抜いてくれて、それで俺はホッと息を付く……まもなく今度は皐月くんがその身をおきあげて、机から紫色の極太バイブを取り出して、『えっ』と一瞬理性を取り戻した俺のアナルにぶちゅ、と、ずぶ! と、それを思いっきりぶっ挿してきた。急な太い物体に、俺の喉が仰け反る。 「ぁぐっ!!?」 「じゃ、今度はお仕置きね?」  顔を戻してまた寝転がった皐月くんを見ると、にっこり天使とも見まがう笑顔でそう言ってのけられる。そうして皐月くんは奥まで入ったバイブの一番外側の、電子ボタンをポチッと押して、そしたら俺の、ケツ穴のナカでバイブがヴィンヴィンうねうねと暴れだす。同時にゴシュゴシュと、限界まで勃起しているのにまだ一回もイっていない俺のペニスを擦り上げだす。 「ひっ……!? いまっ、イッたばっかvv あぁっっv すぐ出ちゃうっっv!!?」 「僕以外の男でも良いなら、バイブでも全然問題ないよね柳さん? ねぇ、僕以外に抱かれて、気持ち良かった?」 「あっv あっv そんなっ、ことぉっvv」 「嘘つき。ねえ、どう言う風に抱かれたの? あの人おっきいから、僕にはできないプレイも出来たんじゃない?」 「きっ、騎乗位、だいすけ、に、きじょうい、で、だかれっっ、ひぁっ、んv さきっぽらめっvv」 「へえ、羨ましいな……まあ僕だって、やろうと思えば出来るけど、ねっ!!」 「ひぐぅっっ!!?」  ぐいっとバイブを押し込まれて、先端に爪を立てられて、この日初めて俺は、やっとのことで射精させてもらえた。どぴゅっ、ぴゅるぴゅるっ、ぴゅ、と、精液はとめどなく溢れて、昨日もあんなに出したのに、一週間くらい溜めていたみたいに沢山、でも薄い精液であった。一旦止まった皐月くんの手先に、ぬぼっと抜き取られたバイブに『はぁ、は、』と息を整えて、懺悔する。 「ごめ、ん……皐月くん、ごめん。俺、別に、本当にそう言うつもりでホテルに行ったんじゃなくって、」 「あなたがどういうつもりじゃなくても、相手はそう言うつもりなんだから……全く本当に、柳さんってばお花畑ちゃんだねぇ?」 「うぅ、ごめん……」 「謝るくらいなら、特にあの男の前では二度と油断しないこと。友達なんだよね、会うなとは言わないから……解かった?」 「うぅ、」  皐月くん、案外優しいじゃないか。ここで見当違いに、先程まで鬼畜にエネマグラで、バイブで遊ばれていた俺は思う。こう言う所が『お花畑ちゃん』なのである。自分でも後で(あくまで後で)そう思うことになる。大体俺たちは従兄弟同士で、俺が皐月くんの玩具にはされているけれど恋人同士なんかではないのに、どうして俺は皐月くんに罪悪感を感じて、挙句の果てに謝ったりしたんだろう。これも後で、考えることになることだ。手錠を嵌められて、涙を拭うことも出来ない俺だから、皐月くんが優しく俺の頬にキスする。それからトロンと蕩けた俺の視線に捉えられて、そのまま唇同士で口付ける。ちゅ、ちゅぱ、と舌と舌を積極的に絡める様は、手錠を嵌められていることを除けば恋人同士みたいな仕草だった。あまい、あまいくちづけである。 「んっ、ちゅ……柳さん、僕もあなたを抱きたい。良いかな?」  唇を離して、いつもどこでも勝手に俺を抱きまくる皐月くんなのに、今日は許可を求めてきた。だから俺は、 「……良い、よ。皐月くん、さつきくん、俺のお尻、いっぱい犯して」  なんて、強制されてもないのにらしくない淫らな誘い文句を言った。至近距離で息がかかるほどの皐月くんは途端、切なげな顔をして、そんな表情も麗しくて、俺の胸がトクン、と静かに鳴る。『柳さんっっ』と皐月くんは声をあげてまた俺に口付けて、口付けながら、自身のズボンから凶悪に勃起したペニスを取り出して、ぐいっと俺の腰(痛めている)を自身に寄せる。女性よりも穴が遠いから俺は腰を丸めるように皐月くんの方に突き付けて、そうしたらゆっくりと、皐月くんのあったかいペニスが、俺のナカに挿入されてきた。 (来た……皐月くんの、おっきいの、生が、本物がやっぱり一番、) 「きっ……くぅっっvv」 「っん? ナニ、柳さん???」 「んっ……はぁ、な、んでも。ね、皐月くん、ねえ、動いて……」 「っっ、どうしてあなたは、そんなにっっ!!」  可愛いの? と皐月くんは聞こうとしたが口ごもって止めた。俺にはそれは知らないことだ。ズン、と一番奥を突かれて『ぁんっv』と甘い、今度は悲鳴ではなく確かな喘ぎ声を上げて、そうしてピストンが開始される。俺の痴態に限界まで勃起していた皐月くんだから、早漏じゃない皐月くんなのに数回のピストンで、『んっ』と声をあげて、俺のナカで彼は射精した。 「んっ……ふふ、皐月くん、かわいい」 「それはっ、こっちの台詞!! 柳さん、今日は無理させちゃったよね……柳さんのもまた勃ってるから、一回抜いてもう終わるよ」 「あっ、んっ……v 良いのに、」 「柳さんは、本当に甘いなぁ、ほらっ!」 「あっv あっv あぁっ、んっ、イくっっ、さつきくんのちっちゃいオクチで俺、またイっちゃうよっっv」  皐月くんのをケツ穴から抜かれてナカから精液を垂れこぼしながら、まだイっていない俺の性器だったから皐月くんが身を屈めてフェラしてくれる。あったかい、小さな口の中で俺のそれが、いった通り暴発する。ドプン。皐月くんは俺の精液をこく、コクン、と飲み干しては『ぷは』と息を吐いて悪戯に俺を見上げて、 「柳さんの、流石に今日は薄いね。ごちそうさまv」  と、言ったのであった。 ***  あり合わせの冷蔵庫の中身で俺は拙いオムライスを作って、夕飯時、午後七時。皐月くんにそれを振舞っては一緒に食卓を囲んだ。 「なんだか柳さん、僕達二人で暮らしてるみたいだね」 「えっ? アハハ、何言ってるんだよ。ちょっと親父達が留守してるだけなのに」  そうは言ったが皐月くんが、心底幸せそうに天使みたいにほんわり笑って、美味しそうに俺のオムライスを食べてくれる。昨日の大輔とのこと、今日の鬼畜な皐月くんの所業、それだけでお花畑ちゃんの俺はそれらのことを忘れてしまって、ああ、やっぱり俺の従弟は世界一可愛い。と、そんな風にのほほんと思って、自分もまたオムライスを口に放り込むのであった。

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