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25.『in full bloom』
シーツが滑り落ちる白い肌がピンク色に染まる頃、俺の理性は完全にストップする。
「……もうッ、無理」
見下ろした先で、息を切らせながらそう吐息混じりに訴える口を再び塞ぐと、言葉とは裏腹に甘い声が漏れてきた。
「……でも、嬉しいんだろ?」
「う、煩い……ッ」
そして息継ぎの間に触れた本音を見落とさないよう、絡ませた指先に力を込める。
するとそれに応じるかのように耳がまたピンク色に染まった。
「ただいま」
「……それさ、散々抱いた後に言う言葉じゃないだろ、普通は玄関開けて真っ先に言う言葉」
長い出張が終わり、久しぶりに会った恋人を目の前に夢中にならない方がおかしい。
「我慢出来なかったんだからしょうがないだろ……で、おかえりは?」
「は?」
「ただいまって言っただろ?」
「……お、おかえり……待ちくたびれた……て、ちょッ……また跡付けるなッ」
それに時々こうして素直になる所もまた俺を夢中にさせるから、たまらなくなる。
「身体に付けた跡、色が同じだな」
「色?」
「ほら、あれと」
そして窓から見える朝日に照らされた満開の桜を指差し促すと、更に頬が桜色に染まり……俺は満足気にその頬にゆっくりとキスを落とし、愛しさを実感した。
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