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第8話※

「んっ、ぁ……っ」  きつく締まった入り口は、赤く腫れた勃起を見る間に深くまで咥えこむ。  新月からは小さな尻に長大なものがずっぷりと収まっていく様子も、透明な粘液をトロトロと自分の腹に垂れ流している夜相の起立も、切なげに歪む淫猥な表情も、夜相の全てがよく見える。 「ン、ん……っぁ……! ……はい、たぁ……」  クチャ、と濡れた音がして、お互いの体液で湿った肌同士がピタリと触れ合うのがわかった。  夜相の細い体の中に、根本の瘤まで自分のものが全て収まっている。  ドク、ドク、とうるさい心臓を内包した胸に脱力した手をつき、夜相は潤んだ瞳で嬉しそうにへらりと笑いかける。 「ほら、こんなにぴったり……俺にしとけよ……な……?」  ──蜘蛛糸のような脆く危うく繋いでいた新月の理性が、限界を迎え、あっけなく千切れ落ちた。 「ッあっ、あぁッ」  泣きそうな顔で自分を見つめていた新月が、突然視界から消えて天井が見える。  次いで体勢を変えられ中の雄が夜相の最奥を押しつぶした。  新月は横たえていた体をバネのように弾けさせ、ドサッと乱暴にシーツに押し倒し靭やかな足を肩の上へ抱えあげる。  夜相を見つめる瞳は狼のそれになっていた。  フェロモンに当てられタガの外れた獣の目だ。  そんな目で見られると、ギュゥ、と疼いて仕方のない体が早くと強請って締め付ける。  両腕を伸ばして、のしかかる新月の首に巻き付けた。 「はっ、はっ、やあい、やあい……ッ」 「新月、俺をお前の雌にして……っ、ン……っあぁっあ……っ」  夜相の言葉が終わると共に、早急な抽挿が開始され濁った嬌声が部屋中に響き出す。  シングルベッドが二人分の重みに軋む。  しがみついたそばの耳を甘噛みし、舌を絡ませ夜相はひたすらに喘ぎ続ける。  唸りながら夜相の名を呼ぶ新月。  体ごと揺すられ、トン、トン、と奥の大事な箇所をノックされると、不可侵の場所が種を欲しがって開くのを感じた。 「ンぁっ、あっ、あっ、ぁっ……ッ」  何度も交わったため、夜相の弱いところはどこもかしこも心得られている。  引き抜かれるのを嫌がってキュウキュウと引き締まる肉を振り切り、襞をこすりながらギリギリまで引き抜き、すぐに根本まで奥深く小突く。  そのたびに互いの肌がぶつかり、破裂音が響いた。  言葉が介入しないほどのただ貪り合う性交。  夜相の中は幾度もヒクヒクと痙攣し、射精を介さない絶頂を何度も迎えては快感に腰をくねらせる。  無意識のうちに自ら尻肉を擦り付け、強請るようにこぶりな双丘を揺らしていた。

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