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第9話

「そうだな~、それはお前の我慢次第だな。」 「………。」 「何されてもお前が我慢できたら、コイツは返してやる。耐久性も身につくし?返して欲しいものも戻ってくる…、一石二鳥だなァ?大河よぉ!…んで?どうする?」 「はぁ、好きにし…」 「やだ!!」 諦めて、木村の言う通りにしようとする先輩の言葉を遮って、叫んだ。 「…あ?…なんか言ったか?純くん?」 そんな俺を、木村が怪訝そうな顔して見る。 だけど俺だって、いつまでも怯んでなんかいられない。 「嫌だって言ったんだ!この卑怯者のクソ野郎!!」 「なんだと?」 「お前なんかっ、俺が本気を出せば一発なんだからな!!」 「……ップ!ははっ!カッコイイ台詞だけど、膝が笑ってるぜ〜?」 「…っ、」 木村の言葉に、周りのやつも笑い出す。悔しい…けど、今はそんなことどうだっていい。 「さっきは少し油断しただけで…っ、先輩もなんで来るかなぁ!?こんな集団でしか行動できない雑魚共なんか、俺一人で十分なのにさ!」 「…おい、今なんつった?」 「は…ッぐぅ!!」 木村じゃない、周りにいた一人が俺の胸ぐらを掴んだ。 「チッ…、やめ、」 「きっ、木村ァ!お前はっ、どう頑張っても…っ大河先輩に、は…勝て…ない!!」 再び先輩の言葉を遮るようにして、木村に向かって叫んだ。もちろん、力で勝てるなんて思ってない。 「…どけ。」 「…っゲホ!ゲホッ!…はぁっ、」 木村がそう言うと、俺の胸ぐらを掴んでた奴が手を離した。俺の前まで来た木村の目は、さっきまでとは違う目をしていて…、これが木村の地雷だと確信する。 それでいい…。 「…覚悟できてんだろうなぁ?」 「お前なんか一生だ!!何一つ、先輩には勝てないっ!!」 「…歯ァ、食いしばれや。」 「一生っ!勝てな……ッッ!!!」 声にならない声を上げながら吹っ飛んだ俺は、ガッシャーーン!!なんて音が聞こえた後、生暖かいものが頭から頬へ伝うのを感じて…。 「純!!」 再び意識を失った。

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