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第3話

そして、唯翔を起こして 「帰ろう?」と声を掛けた。 帰り道。唯翔が聞いてきた。 「お前、Ωだったの?なんで、教えてくれなかったの?俺がαだから?」と、泣きそうな声で話してきた。僕が困っていると 「ごめん。困らせるつもりじゃなかったんだけど……。でも、隠さずにちゃんと俺に言ってくれよ。頼むから…。」 そう言われて隠すことが出来るわけないじゃないか、と思った。 「ごめん、唯翔。僕、僕はね。 Ωなんだ。ずっと黙っていてごめん。 βって嘘ついて本当にごめん。許し…て…? あの…ね、唯翔に…嫌われ……たくな……くて…ほんとにごめ…ん。それが…嫌だ…なんて思わ……なくて…、僕って最低だよね。」 話すと同時に額に生暖かい水がこぼれた。これが涙ということに少し時間が過ぎてから気づいた。唯翔は僕の涙を拭ってくれた。 「もう、隠すなよ?俺ももう隠さねーから。」 僕はよくわからなかった。唯翔が何を隠しているのかが。そして、興味本位で聞いてみた。 すると、顔を真っ赤にして怒った。 「お前は、とりあえず黙っとけ!俺にだって色々とあんだよ…。」 そして、家まで送ってもらい、別れた。 僕が泣き疲れて寝ていた時に来ていたらしく、唯翔からメールが届いていた。開けてみると、そこに書いてあった文字に顔が熱くなった。そこには ------------------------------------------------------------------------- From:唯翔 To:叶 ずっと伝えたかったこと 隠し事は俺嫌いだから言うね お前がβだろうがΩだろうが関係ない。 俺は、お前がずっと好きだ。 じゃあ、おやすみ P.S. お前 今週は発情期だから 今週いっぱいは休めよ 襲われたりしたらイヤだから ちゃんと部屋に篭っているように! -------------------------------------------------------------------------

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