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発情期

売られた先は、いわゆる裏組織のΩ専門売春宿、Ωになったヤツはこういう場所に売られるか、森に捨てられるか、中にはバカ高いフェロモン抑制剤を飲みながら、Ω性を隠して家族に匿われているヤツもいるが… うちはα一家だったため、Ωの存在は葬らなければならなかったらしい。 Ω宿なら仲間もいるし食にも困らないとでも思ったのか… オレ自身、Ωの扱いについても学んでいたから、自分がそのように扱われるだけ、と、頭では理解しても気持ちがついてきていない… もはやショックが大き過ぎて、何も考えられなくなっていた。 思考が巡らない間に、環境は目まぐるしく変わっていき、完全に感情が置いていかれた状態だ。 発情中のオレは、目隠しをされ首輪をつけられて、どこかの店先の小屋の中に鎖で繋がれていた。 身動きがとれないように後ろ手に鎖を巻かれ拘束されている。 発情のフェロモンで客寄せをさせられているようだ。 引き寄せられて来たαやβを店の中に引き込み、発情していないΩと遊ばせる。そういう店だ。 オレも一週間ほどの発情が終わったら、どこぞの誰と知らないヤツと寝ることになるんだろう… こんな風に初体験を捧げることになるとは… それにしても身体が熱い、ヒート状態のαが近づくだけで、鼓動は速くなり、呼吸は短く速くなって身体が勝手に受け入れ態勢を作ってしまう。 これがΩの本能で、抗うことが出来ないサガなのか… こんな、生殺し状態…いっそめちゃくちゃに犯されて気を失わされた方が楽だとさえ思ってしまう。 こんな身体、サイアクだ。 そんなサイアクな一日は過ぎ去り、後ろ手の鎖に手首が食い込み、限界が近づいた頃、ようやく朝日が昇り店じまいとなった。

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