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ツガイ

ラウの気持ちは嬉しいけど、今はまだ… そう思いながら、ラウの胸に凭れ掛かり、柔らかな毛に覆われながら、包み込まれるように優しく抱き寄せられて、行為後のふわふわする様な初めての感覚を心地よく過ごす。 次第に身体も呼吸も落ち着いてきて… 「ハァ、あ…コレ、しばらく抜けないんだ…少し厄介だな」 少し腰を浮かして、ラウのモノを抜こうとするが、膨れた亀頭球が引っかかってすんなりとは抜けないようになっていて… 射精したことで、そのもの自体の事象は収まっているけれど、亀頭球は膨張したまま、繋がりを持続している。 「…?人間はすぐに離れるのか?俺は少しでも長くアサトと繋がっていられて幸せだ」 「ふ、まぁ…いいか」 そんな甘いセリフを無自覚に囁くラウをみると改めて繋がれたことを幸せに思えてくる。 「時間が経てば自然と収まるから…少し我慢してくれ」 申し訳なさそうに言うラウに、くすっと微笑み返す。 「ん、大丈夫、嫌なわけじゃないんだ、なんか気持ちイイし…」 「よかった」 「繋がったままっていうのが、慣れないっていうか、シィが起きてきたら気まずいかなって…」 まだ裸だし… 「そうなのか?」 「あ、これは人間特有の感覚なのかな」 「そうかもしれないな、獣人族のαは交尾をする時周りをそんなに気にしない」 「そっか、人間はちょっと恥ずかしいから、時と場所を気にしてくれると嬉しい」 「あぁ、分かった、人間との違い、他にもあるだろうから教えてくれ」 「うん、ふふ、やっぱりラウの毛、気持ちいい」 ラウのフサフサな毛に抱きこまれて、高級なソファーにでもつつまれているようだ。 「…アサト、次の発情期はいつだ?」 「たぶん、あと一ヶ月半くらい」 「その時にはツガイになってもいいか?」 「……分からない、お前はどうしてそんなにオレとツガイになりたいんだ?」 「発情期を無くしてアサトを楽にしてやりたいのと、獣人は意中の相手が出来たらすぐツガイなるのが普通なんだ」 「そうなんだ?」 「あぁ、そうしないと発情期に感情をコントロール出来ずに別の相手と交わってしまうこともあるし、はぐれαを引き寄せることだってある、予期せぬことが起こるかもしれないから、俺のツガイにしてお前を守りたい」 他のαに奪われたくないから… 「…でも、お前はαの奥さん貰わなきゃならないんじゃないのか?(おさ)だし、有能な血を残すために。獣人の世界もパートナーは一人だけなんだよな」 そんなに簡単に独断で決めて大丈夫なのか? よそ者の、しかも人間のΩがいきなり(おさ)のラウとツガイになるなんて…人間が嫌いな獣人からしたら許せることじゃない筈だから。

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