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チュ……
不意に唇が重なる。
あっさり奪われたファーストキス。
キスって……
く……唇って……
こんなに柔らかいんだ……
しかも、甘い匂い……
光牙の……?
…………って、口になん、なんか入ってきた!コレ、舌!?ディープキス!?
「……ぅ……んん……」
息、苦しい……
口の中を優しくなぞられて、抱きしめられる。
背中をなぞる指。ビクビクと体が震えた。
やめて。背中、ゾワゾワする。
「下向くなって……」
顎を上げられ目線が合わさる。
吸い込まれそうな琥珀色の瞳。明るい所で見たら綺麗……
そんな事を考えてたら、さっきよりずっと深いキス。腰を引き寄せられて、そっと抱きしめられた。
口を離すと光牙の唇が濡れてる。
…………なんか色気が溢れて、目が見れない。
「俺の背中に手を回して。」
「…………こう?」
促されるまま、やってみる。
なんか……この格好、恋人同士みたい。
「次はお前からキスして。」
光牙のキスを真似してみる。そっと舌を忍ばせた口の中。
さっきのが初めてのキス。他に誰も知らない。
「俺のキスを真似るとか、可愛いじゃん。」
いつの間にか主導権は入れ替わっていて、まるで口内を犯されるみたいに情熱的なキスを受ける。
…………体の力が抜けそう。
触れた部分から勝手に熱くなる。
熱い舌。探るような動き。食べられてるみたいなキス。
狼なのに優しい……
何……これ……頭がボーッとする。体が熱くて堪んない。
「キスでなんて顔してんだよ。」
「はぁはぁ……な……何……」
光牙に言われて目を開ける。
悔しい。キスだけで腰が砕けそう。
「お前、やらしいな。そんな蕩けそうな顔して。キス、好きなの?」
「ち、違……俺、キスも初めてで……」
「キスも初めて?天然記念物か?
しかもお前、キス位で勃ってるの?」
指摘されて顔がカァッと熱くなる。
唇をペロリと舐める光牙。
前を手で隠したら掴まれた。
サワ……
「…………!!」
光牙が俺の……に触ってる……!
勿論、人に触られたのは初めて。
「あ、ア!……やッ!!」
初めての快感に声が抑えられず、風呂場に恥ずかしい声が響く。
「お前、声、デカ過ぎ。
初めてのくせに淫乱とかどうなの。」
「ん、ンッ!や!……ん!
ダメ!手、離して……や……アッあぁぁ!」
「鳴き声は結構可愛いな。」
ドクドク……
あっという間に光牙の手を汚してしまい、血の気が引く。
「早すぎ。」
「ご!ごめんなさい!今、洗って……」
慌てて言うと、手を掴まれた。
スルリ……
引き寄せられて、後ろに触れる。
「逃げるなよ。」
「あ、ァアっ!!」
激しい違和感。足がガクガク震える。
ゆ、指が……
俺の中に……入ってる……
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