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「コーヒー飲む?光牙。」
光牙は今日、パソコンで仕事中。書斎のドアを開けて覗く。
「ありがとう。ユイトは気が利くな。もう少ししたら構ってやるからテレビでも見てろ。」
褒められた……
なんだか嬉しくて、少し浮かれながらカップを食器棚から取り出した。
……………不意に感じた目眩。
な……何?
……目が……回る。
体が変だ。燃えるみたいに熱い。
立ってられない……
貧血?足の力が抜ける。
ガタガタ……
ガシャーン。
いけない。カップを落としちゃった。
「どうした!?ユイト!凄い音が……」
「……光……牙。」
倒れてる俺を見て、光牙が慌てて駆け寄る。
「ユイト!倒れたのか!?」
「カップ……ごめ、」
「馬鹿!カップなんてどうでもいい!
お前は怪我してないか?」
「うん……」
光牙に抱き起こされてホッとする。
光牙の甘い匂い……
何、この匂い……
変に……なりそう……
顔が火照る。体が燃えるみたいに熱い……
「…………なんだ。この甘ったるい匂いは。」
光牙が信じられないという顔で俺を見た。
「まさか……発情期……?」
光牙に手を伸ばし腕を掴む。ギラリと光牙の目の色が変わった。
…………発情期?あぁ、やっと俺にも来たのか。
それなら光牙と出来る?
「体が熱い。たすけて。光牙。」
光牙は何も答えず、俺を抱き上げた。
ベッドに押し倒されて上に乗られたら、心臓が狂ったみたいに鳴ってる。
欲に濡れた目。オスの狼はメスの発情期に誘発される。
自分でも分かる位のΩの甘い匂い。
αを誘惑するフェロモン。
少しだけ乱暴に服を脱がされて、光牙を見つめ返した。
怖い……
でも。
………………光牙となら、きっと大丈夫。
キスに夢中になってたら、あっという間に全部脱がされてる。
「中、いつもより濡れてる……」
耳に響く光牙の声。
甘い香り。
興奮してる顔……
そのどれもが俺の理性を奪った。
どうしよう……
気持ち良い……
…………痺れる体。
熱い目をした光牙に囚われる。
「痛かったらちゃんと言え。」
欲を抑えて言ってくれるのが分かって、涙が出そうだった。
こんな時にも光牙は優しい……
震える手で光牙の背中に手を回す。
入ってくる……!
圧迫感に耐えていると光牙が頬を撫でてきた。
「…………ユイト。」
光牙の切ない声に体が勝手に熱くなる。
「ユイト……」
初めてなのに……
ゆっくり慣らされた体は痛みを受け入れる。
「光……牙……」
腰を押さえつけられて奥を探られる。
「アッ!あぁぁっ!」
爆発しそうな快感。
体から巻き起こる甘い疼き。
その晩。
光牙は何度も俺を抱いた。快感で気を失ってもまた抱かれて、目を覚ましては繰り返し揺さぶられる。
俺の中に熱いのを吐き出して、光牙が恍惚とした表情で笑う。俺はゾクゾクしながら、それを見てた。
いつも、お喋りな光牙がしてる時は全然話さなくて……
余裕のない目で見られると堪らなくて……
そんな目で見られたら、俺……
「……アあぁッ!……あ……こ、光牙っ……」
「ユイト……」
「だめ……ソコッ!やっ!!」
「可愛い。もっと、俺の名前を呼んで……」
「こぉ、が……光……牙ぁ……!」
激しく求められたら、意識がボンヤリしてきた。
「…………ァ……だめ……
光牙っ!そんなに……しないで!ンンッ!」
体に全然、力が入らない……
一層、動きが激しくなる。
…………温かい。
嬉しい……
今、繋がってる……
涙が溢れて零れた。抱きしめられるだけで幸せで泣けてくる。
………………光牙が好き。
多分、ずっと前から……
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