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「ありがとう。お詫びに俺がしてあげる。」 ピトッとくっつく。 「朝からかよ。」 「嫌?」 「まさか。じゃ、口でして?」 「く、口で?した事ない……」  「なかなか良いな。純情で真っ白なウサギに一から教え込む。俺好みに仕込んでやるよ。 とりあえず噛まないように気を付けろ。」 こ……光牙の。初めてマジマジと見ちゃった! 大きくて口に入らなさそう。これ、まだ通常モード?勃ったら、もっと…… オロオロしてたら、手を誘導された。 手の中に感じる温度。 あ、熱い…… 「ホラ。まずは手で。」 「う……うん。」 わ、わ…… 硬くなってきた。 「焦らすなよ。早く口でして。 まずは軽く触れる感じで舌を使って……」 光牙の色っぽい声。 心臓が引っくり返りそう。 動けずにいると、光牙が髪と耳を撫でてきた。 チュ…… な、なんかドキドキする…… 言われた通りにしてるともっと硬くなってきた。 「ん……上手。今度は口に含んでみて。」 恥ずかしい。上手く出来ないかも…… 縋る思いで上を見上げる。 「こんなに大きいの……無理……」 「おいおい。なんだよ。そのセリフは。AVか?しかも涙目、上目遣い。未経験のくせに煽ってんの?これだからウサギは……」   頬から首にかけて優しくなぞられる。その触り方、好き。良い気持ち…… 「上手に出来たら、とびきり優しいキスしてやるから。 …………イイ子だから口開けて。 全部入らなくてもいいから……」 光牙の声が頭に響く。俺はゴクリと息を飲んでから、口を寄せた。 口でしてる時に、髪撫でられると堪らない。 俺を見る目が熱くて…… 胸の奥が苦しくて甘い疼きを引き起こす。 部屋の中は甘ったるい香り。 俺の……?光牙の……? 「一生懸命で可愛い。」 …………この人と繋がりたい。 そう願うのはΩの本能か。 「口……離して……」 光牙の掠れた声を聞くと堪らなくて…… 胸の奥がギュッとなる。 「離せって……」 もっと聞きたい…… 衝動のまま、奥まで受け入れた。 ドク…… 口に広がる光牙の…… 「……っ……ん、ゴク……ゴホッ!ゴホッ!」 「…………お前、俺の……飲んだの?」 光牙は驚いた顔をしてる。 「ぅ、うん……」 「馬鹿だな。飲まなくていいのに……」 愛しそうに見つめられたら、なんだか涙が出そうになった。 「雑誌に飲むと相手は喜ぶ…… って書いてあったから。」 「オイこら。お前は一体、なんの雑誌を読んでるんだ。何?俺の為に勉強したの?」 「ごめん。嫌だった?嫌なら次からしない。」 「嫌なわけない。健気で一生懸命で可愛かったよ……」 引き寄せられて優しく抱きしめられた。 光牙は温かくて、さっき、我慢した涙が滲む。 …………なんで、涙が出るんだろう。 俺は子供を孕む為に買われたΩ。 忘れてはない。 …………けど。 光牙の隣は温かくて、時々、忘れそうになるんだ。

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