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気が付いたら朝だった。
カーテンをそっと開ける。窓に映ったのはいつもは付けないキスマークと噛み跡。全身に何ヶ所もつけられてた。
俺、本当に光牙のものになったんだ……
珍しい……光牙、狼じゃない……
半獣人の姿……
嬉しくて眠ってる光牙にくっつくと目が開いた。
「ごめ……起こしちゃった?
ぉ……おは、おはよう!良い朝だね……」
わ、わー!照れる!
緊張して変な事言っちゃった!
光牙は俺の手を握ってから俺をひっくり返した。
「こ、光牙……会社は?」
「番のヒート休暇を取った。心配するな。一度も使った事のない有給が山程ある。」
まだ項 を噛まれてないから番じゃないけど……光牙の言葉にドキドキしてしまう。
「今までの分、沢山しよう。」
「……ぇ……あの……ヤ!んん!
昨夜もいっぱいしたのに……
そんな……朝から……あ……」
発情期の間、食事とシャワー以外、光牙は部屋から一歩も出してくれなかった。
まるで本物の番みたいに甘やかされて大事に何度も抱かれる。感じる安心感と幸せ。光牙はずっと側にいてくれた。
………………光牙以外、何もいらない。
そう思ってしまう程。
「お帰り。光牙。」
「ただいま。遅くなってごめん。」
優しく抱きしめられる。
「ううん。」
「…………夕食の前にベッド行く?」
光牙の誘いに小さく頷く。
発情期が終わっても……
仕事の時以外は二人で過ごして、夜は一緒に寝て毎日のように……Hしてる。
光牙は変わらず優しかった。
…………こんな幸せ、今まで感じた事ない。
自分の気持ちを自覚してからは日に日に愛しい気持ちが大きくなる。
何回も中に出されたら、もうそれだけで……
思い出すだけで体が熱くて……
光牙のせいで俺までやらしくなってしまった……
今日は土曜日。光牙の休みで俺は朝から浮かれてた。
一緒にテレビを見てたら「グラタン美味しそう。」って光牙が言った。
グラタン、好きなんだ……
この家に来てから、全然、料理してないけど、作ってあげたいな。
「光牙。俺、料理したい。」
「料理?まぁ、いいけど……」
厨房に光牙も付いてきた。
「ユイト様。よく料理されてたんですか?
手際がいいですね!」
「えへ。久し振りだし上手く出来ないかも……」
褒められたのが嬉しくて、つい笑ってしまう。
「ユイト様。今日は耳ないんですね。
匂いも全然しないし、完璧な人間です。」
「本当?ありがとうございます!
嬉しいです……光牙がコツを教えてくれて……」
俺の笑った顔が珍しかったみたいで、マジマジと見られる。
「…………笑うと可愛いんですね。
あ!失礼致しました。つい……」
「ユイト様。笑顔の方がいいですよ。
とても素敵で見てるだけで嬉しくなります!
ここにはだいぶ慣れましたか?」
「はい……」
なんだか気恥ずかしい。照れてたら、手を引っ張られた。
「…………今日はここまで。」
不意に手を止められ、光牙は厨房から出て行ってしまった。
意味が分からなくて、慌てて光牙の後に付いていく。
部屋に戻ったら、光牙は面白くなさそうな顔をしてた。
「…………光牙?」
「料理やめろよ。お前、あんな無防備に笑顔見せたり照れた顔したりして……皆、すげー見てた。誰かが変な気起こしたら、どうするんだ。
もう厨房に行くな。お前の可愛いとこなんて誰にも知られたくない。
…………ユイトは俺のものだろ?」
何……それ……
もしかして……ヤキモチ……?
少し不機嫌そうな顔にドキドキしてしまう。
そうだったらいいのに……
…………そしたら、俺も言えるのに。
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