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『・・・?』
フラフラと名も知らぬ女を食いたいだけ食い散らかして。何処とも言えぬ場を歩いていた。
その時だった。
「・・・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
名を呼ばれて振り向いた先に居た人物。
―覚えているのは、伽羅の香と下卑た様に笑う口元だけ―・・。
「・・・んぅ・・ぐうっ!!・・げほっ・・・がほ・・・っ」
びちゃびちゃと床下に戻す度にツンとした匂いが広がっていく。
「・・おぅ・・もうへばっちまったのかあ・・兄ちゃんよう・・」
丁寧にほぐされる事も無いまま太く反り立った男の雄を無理やりにねじ込まれ、眼前に星が飛んだことまでは記憶がある。
背中越しに伝わる男の息を直に感じながら、咲里が失いかけた意識を取り戻したのは、それからしばらく経過しての事だった。
咲里の首筋を男がねっとりと舐めながら吸い上げる度に、嫌悪感にも似た何かがじわじわと這い上がって来る。
「・・・ぐっ・・・」
挿れられて揺さぶられるのと同時に、腹部に幾度蹴りをくらわされたか知れない。
その度に込み上げてくるものを抑える事が出来ずに何度も戻したのだけは確かだった。
「・・・うぐっ・・・ぐはっ・・!」
「おい・・姫 さんがへばっちまうじゃねえか・・蹴るのはやめてやれよぉ!おらぁ!」
がはははっと先ほどから下卑た笑いが何度も脳裏をかすめていく。
・・・・・・どれほどの数の男がいるのかも、もう分からない。
じゅっじゅるっと吸い上げながら、時折コロコロと舌で転がすように咲里の胸の先端を舐めていた男の口元がニヤリと歪む。
「いづぅ・・!」
ガリッと胸の先をきつく噛まれた事に気付くまで、少しの時間が必要だった。
「ひぐっ・・・」
男の雄から解放された安堵と恐怖心がじわじわと咲里の脳裏を支配し、青い瞳からぼろぼろと水滴が零れ落ちていく。
「おらっ・・跪けっていってんだろーがぁ!」
「ぐうっ・・」
背中に鈍い痛みを感じながら、蹴り飛ばされた衝撃で咲里の身体がザザッと後方へ倒れた。
間髪入れず伸びた男の手が咲里の前髪を強く掴み上げ、その痛みで咲里の形の良い眉が歪む。
腫れた頬をそのままに、僅かに視線を上方へ傾けると嘲笑う男の口元が見えた。
「・・・・・・・・」
ごくりと息を飲む。自身の髪を強く掴む男と目が合った。
「お前ぇ・・これで終わったとか思ってんじゃねえぞ・・」
「・・ぐうっ・・!・・ぅ・・・」
憎悪にも似た男の顔が醜く歪んでいる。咲里の前に反り立った男の雄が当てられ、それを見る彼の瞳に怯えの色が浮かび始めている。
昂ぶった男の雄を前にして咲里の顔がサッと青ざめた。カクカクと無意識に震える唇が言葉を探すようにパクパクと動いては閉じていく。
「・・・・・・もっ・・もう・・謝る・・からっ!・・悪かっ・・た!わっ・・わるっ・・」
首を左右に振りながら乞う咲里の口が謝罪の言葉を最後まで言い終わらぬうちに、男の固く反り立った雄が口にねじ込められ、その息苦しさに「ふぐっ」と唸った。
「・・っつ!・・・」
顔を両手で押さえられたまま、じゅぶじゅぶと激しい律動で男の腰が動き、その度に咲里の眉間に深い皺が刻まれていく。
呼吸も上手くできぬまま、喉の奥を激しく突かれる度に口の中が吐瀉物で埋まっていく苦さを覚えながら、咲里はなす術もなく、ただ動かされていた。
「・・・―――――――――・・・・・・」
男の言葉が頭上に響く。
堅く閉ざされた自身の花の蕾の先はもう何度も男たちに蹂躙されたせいで、とろとろと柔らかく、まるで女子のようだった。
「・・・ううん・・ふぐっ・・・」
パンパンと突かれる度に、じゅぶじゅぶと別の男が咲里の雄を吸い上げていく。
「・・んうっ・・・ぐうっ・・」
じゅるるるっと吸われる度にじわじわと快楽が広がり、同時にびくびくと腰が跳ねた。
「・・・・んはっ・・」
白濁と共に口を放され、ごろりと床に転がされる。その度に別の男が咲里の唇を吸い上げ
その息苦しさに「・・・ううっ・・」と声が漏れた。
れろれろと舌を絡ませるたびに無意識に腰が揺れ、その度にまた別の男が咲里の雄の先端に舌を這わせながら頬張ると、柔らかな口腔の感触と擦られる律動に咲里自身も昂ぶる熱を抑えられないまま幾度も果てた。果てる瞬間、咲里の雄が強く吸われ、同時に腰がぶるりと震えた。
「んぁ・・っ」と眉を顰めながら甘い吐息を漏らし下肢を震わせるも、彼の雄を頬張る男の口はそのままで、じゅるるっと強く吸い上げては執拗に舐め続けている。
「あぁっ・・・っあ・・」
幾人もの男達を受け入れ続けたせいで、花の蕾はひくひくと何かを求めるように痙攣し、それを楽しむかのように昂ぶった男の雄が容赦なく背後から咲里の蕾へと押し入っていく。
「・・・・ああ・・・たまんねえなぁ・・」
「ううっ・・」
その声に咲里の青く光る双眸が涙で濡れ、頬を幾度も熱いものが滑り落ちては嗚咽に溶ける。
最初は花開かずに終わっていたはずの身体が男たちによって暴かれ、陶器のような白い肌がじわじわと熱を帯び、桃色へと染まっていく。場に集う男たちの全てを喜ばせるかのように揺れる腰は眺める男の喉を鳴らし、視線を受けた咲里自身もまた妖しさが増していった。
「・・・っ・・・んぁ・・」
顎を掴まれ無理やりに顔を後ろへと振り向かされる咲里の頬は桃色に染まり、青い瞳はとろんと潤んだまま、男の鼻筋へと向けられている。唾液によって滑りを帯び微かに震える唇に噛み付くように男が吸い付いた。
ぬめぬめとした舌の心地良さを欲するかのように咲里の舌が男の唇を乞い、首に向かって腕を伸ばすと男の指がピンと尖ったままの咲里の胸の突起へと伸びていく。
腰を揺らしながらぴったりと張りつくその姿は、まさに芸術品のようでもあった。
「・・・・・っ・・」
達する度に頬をひたひたと叩かれ、無意識に閉じていた瞳を開くと誇張した男の雄が見え、とろんと頬を上気させた咲里の口が塞がれていく。自身の固く丸いその先を男の舌で何度も転がし吸い上げられる度に、彼の口からは段々と甘い吐息にも似た声が零れては溶けていった。
「・・・・んうっ・・・ぐふっ・・!」
快楽の闇から引き戻されるかのように数度目の蹴りを腹部に入れられたと分かったのは、それからしばらく経過しての事だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
荒れて荒れて食い散らかして、遊んだ末に待っていた罰。
むせ返るような臭いと自分を見下し嘲笑う声。
喉の奥に当たるせいで、何度胃の中の物を戻したか知れない。
懇願の目で見上げても、髪を掴まれたまま幾度も咥内にねじ込まれ、抵抗し戻す度に足が顔に飛び、その度に影が見えた。
揺さぶられるように突かれ、同時に強く吸われる度に湧く嫌悪感。
自分を見る男の口元が、揺らめくように咲里の脳内を過ぎ去っていったのだ。
「・・・・・・・」
咲里は瞬きを忘れたまま、無意識に眼前の男達の足元に視線を向けた。
逃げなくてはいけない。全身が、そう告げている。
上手く動かない足を動かそうとしたその刹那、動きを封じるように男の手が土壁に伸びた。
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