61 / 89
第61話 俺と母親の幸せの形(1)
――結論として、俺の貞操は半分は守られたと言っていいのかもしれない。
「あ、俺、ネコなんで」
トシキはニヤニヤしながら、俺をくたびれた古い黒い革のソファに放り出し、肘掛に両手を縛り付けられてる。手際のよさに、俺はなすすべもない。
「ネ、ネコって?」
ビビりながら問いかける俺。気が付けばパンツごとズボンを下ろされて、下半身露出っていう情けない格好に、目に涙がたまる。俺の息子だって、恐怖に縮んでるっての。
「ん~?突っ込むほうじゃなくて、突っ込まれるほう?って、お前もそうなんじゃないのぉ?」
ニッコリ笑って「突っ込まれる方」って……それって、俺が俺よりもガタイのよさそうなトシキにってこと!? ていうか、男に突っ込むのっ!? まさかっ!?
「む、無理無理無理っ!」
「だ~いじょうぶ、大丈夫っ」
「大丈夫じゃないよっ!」
そう言って暴れようとしたら、パンッ、と思い切り頬を叩かれた。叩かれると星がチカチカするって、初めて体験した。そのせいで、俺の頭の中は真っ白、
「おら、大人しくしろっての」
縮みこんでる俺の息子を、トシキのゴツイ手が握りしめる。けして握りつぶされるって感じの強さなんかじゃないけど、他人のそれも男になんか握られたら、ヒュンッと玉が縮む思いになる。いや、実際、縮んでるって。
叩かれた痛みで頬がジンジンと熱くなる。今までも怖い思いをしたことはあっても、殴られることなどなかった俺。慣れない暴力に、抵抗する意思があっさりと叩き折られた。
「そうそう、大人しくしてろっての」
そう言って舌なめずりしたトシキが、縮んでる俺の息子を口に含んだ。
……人生初フェラが男とか……暴力とのダブルショックで何も考えられないでボーっとしていると、トシキがジュジュッとか、チュパチュパとか音をたてて俺の息子を弄ぶ。
「あっ……やっ……」
段々と、感じ取ってしまう快感に、小さく声が漏れてしまうことに悔しくなる。つい、視線を下半身に向けてしまうと、バッチリ、トシキと目があう。ニヤッとした口元には、若干勃ち上がりつつある俺の息子。
「うううっ……」
自分の身体の反応に恥ずかしくて、真っ赤になって泣きそうになる。そんな俺を呆れたような顔で見るトシキ。
「なんだよ、お前だって、おっさん相手にしてんだろ」
「こ、こんなこと、してないよっ!」
「はぁ? 嘘ついてんじゃねぇよ」
「ひいいっ」
トシキに睨みつけられただけだけど、もう、ボロボロと涙が零れてた。
ともだちにシェアしよう!