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第6話

また性質的に合うのが基本的に男女のβ同士ということもあり、結婚もβ同士が圧倒的に多い。 そして子宝にも恵まれ易い事で、人工的にβが世界の半数を占めていた。 そのことを小学校の授業で習った時は(ふぅん、そうなんだ。僕はΩだからαの人と(つがい)になるんだ。どんな人かなぁ…)と少しワクワクしていたが、こうして成人を迎えれば不安も覚える。 番相手が自分が好きになった人だったり、相性が物凄く良い魂が求め合うと言われる相手『運命の番』と呼ばれるαなら本当に幸せに違いない。 しかし中には発情期のΩのフェロモンにより理性が保てなくなったαに無理矢理…という事案も少なくないらしい。 それを聞いた時は、子ども心にαが怖く思ったものだ。 しかし『抑制剤』という存在を先生から教わり同時にホッともした。 望まないαとの関係で妊娠させられたり、番にされたりしない様に予防を兼ねて発情期より少し早目に規則正しく『抑制剤』飲む事で発情をある程度抑える事が出来る。 それがΩの常識ではあったが、しかし祐羽の場合は少し事情が違っていた。 普段から出ているとされるΩ特有のフェロモンがほぼ無いどころか、発情期のフェロモンさえも弱く微かに匂いがする程度だった。 それが効を奏して今までαからの実害もなかった為、風邪薬などに比べて高価な発情抑制剤はなるべく飲まなくても済んでいた。 (節約、節約。朝飲んだし。それに発情予定日迄少しあるから大丈夫だよね) いざとなったら直ぐに飲めばいいだろうと呑気に目を閉じる。

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