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第7話

これまでもそれで問題なく乗り切れたのだから。 「それにしても本当に眠い…ふわぁ…」 そして眠りの精に誘われるまま、祐羽は欠伸《あくび》をひとつ心地よい夢の中へと一気に入っていった。 ・・・・・ 夢を見ることもなく熟睡していた祐羽は「ゆうくん、ゆうくん?」と、自分を呼ぶ声に意識を浮上させると瞬きを繰り返し何とか目を開けた。 するとそこには香織が困った顔で自分を見下ろしていた。 「お母さん…」 「お母さん、じゃないわよ。何時間寝たと思ってるの?」 眠くてなかなか開かない目を擦りながら体を起こした祐羽が、ぼんやりしつつ「今何時?」と訊《たず》ねれば「もう四時過ぎよ」と返されて一気に目が覚めた。 小一時間くらいと思っていたが、あれから三時間ほど経ってしまっている。 休憩時間などとっくに過ぎており、これから夕方の忙しい時間帯に突入だ。 「ごめんね、お母さん!直ぐに行くから」 「いいわよ。それより、ゆうくん。今日はもう帰りなさい」 「えっ?でも、これからまた忙しくなるでしょ?」 平日の夜とは違い、休日前の夜は昼間同様に忙しい。 「まだこの仕事を手伝いはじめて少ししか経ってないし、無理はしないの」 「でも、今少し寝て元気になったから大丈夫だよ」 母の気遣いは嬉しいし、正直いうと疲れは残っており、体はまだ少し怠い。 休めるものなら休みたいけれど、全く動けないほどではないし、第一自分が仕事を休めば両親に迷惑を掛けてしまう為、それは出来るだけ避けたかった。

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