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第21話
「アッ、アッ、ンッ」
反対も指で捏ね刺激を与えられて、祐羽は顎を反らせて気持ちよさに目を閉じて喘いでしまう。
胸への刺激がそのまま下とも繋がっているかの様に小さいながらも蜜を溢しており、それは後ろの蕾も同じで男を受け入れたがっているのが分かった。
そんなつもりはなくてもΩの性質は未熟な祐羽にもきちんと現れ、腰をくねらせて勝手にαへねだってしまう。
――嫌だ、こんなの違う。僕やりたくないのに。
αがΩに求められれば拒めないのはΩも一緒で、こんなに体がαを求めてしまっているのに頭の隅では誰かも知れない初めての相手とこのまま体を重ねる恐ろしさが沸き起こる。
「うっ、うっ、うううっ…グスッ」
祐羽は気がつけば泣き出していた。
発情を迎えαに体を愛撫されれば快楽が過ぎて泣く事はあっても、祐羽の涙はそれとは違っていた。
泣きながら求めるのではなく、明確に相手を拒んでいた。
「やめて…やめて下さい。怖いぃ…ううっ」
涙で濡れた顔で男を見上げ、そう懸命に訴えた。
発情したΩに抗えないとされるαは、普通ならば理性を失いΩのフェロモンが落ち着くまでは交尾を止められないのが常識だがこの男は違っていた。
祐羽を押さえつけ胸に愛撫を施していた動きを止めて暫く呻くと、大きく肩で息をしながら祐羽を見下ろしてきた。
その眉間には皺が刻まれ、怒っている様な切ない様な表情だった。
――きっと怒られるんだ。僕がΩなのに受け入れないから。
圧倒的な力を持つαにΩが勝てるはずもなく、相手の様子から酷く叱責されるだろう恐ろしさに益々祐羽は震えた。
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