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第6話

「ここ、俺の部屋。入って」 通された彼の部屋は、僕の部屋の何倍かのサイズの立派な部屋だった。 「すっげー!!ホテルのスイートルームばりにでかい!」 「ホテルのスイートルームは初めて言われた」 「あ、ごめん。最近、家族で帝◯ホテルのスイートルーム券当たって、ほぼタダで泊まってきたんだよね。その記憶が鮮明で」 「ふふ。そんないいものでも無いけど、くつろいでね」 「いやいや。って、このPC、めっちゃ高いやつじゃん!俺の好きなYouTuberも使ってた!で、こっちのやつは…」 「な、なんか恥ずかしいね」 「あ、ごめん…、はしゃいじゃって。見たことないものばかりで。友達の家もあんまり行かないからさ…」 人の家を物色してしまって、すごく恥ずかしい。 しゅんとしてしまう。 「俺はあんまり感情の起伏が激しくないから、羨ましいよ。はい、コントローラー。ゲーム、するでしょ?」 「やる!!!」 我ながらゲンキンだと思う。 ゲームを起動して、並んでソファに座る。 「あれ?柊木くん、全然プレイしてないじゃん!最初、僕がプレイしていいの?」 「うん。俺、初見じゃないとネタバレしちゃいそうだったから」 「そんなの気にしないのに。ごめんね、気を遣わせてしまって」 「ううん。俺、梁瀬くんとしたかったから」 「そっか。じゃあ、遠慮なく。っておおおお!すげー!さすがP◯4!画質すげぇいい!レオン若っ!?すげぇぇ」 大好きなゲームに、柊木くんのことを忘れて没頭してしまった…

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