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第7話

区切りのいいところでセーブをした。 プレイ時間が1時間を超えてしまっていて、驚く。 「あ、ごめん!1時間以上やってた!」 焦って柊木くんを見ると、すごく楽しそうな笑顔でこちらを見ていた。 「いいよ、全然。ゲームしてる梁瀬くん、可愛かった」 「は、はぁ!?ゲーム見なよ!僕、下手だけど、面白いゲームだから、見るだけでも価値あるよ?」 「イキイキしてる梁瀬くん、新鮮だったから」 「ま、まぁね。学校つまんないし、勉強も運動も苦手だから、ゲームくらいしか人並みに出来ることなくて…」 「そんなダメなところも可愛いけどな」 「さ、さっきから!その、それ、からかってるの?」 「それ?」 「か、かわ、かっ、可愛いって…」 「本心だよ?ゲームしてるところも、授業中当てられて答えられなくてショボンとしてるところも、板書写すの間に合わなくて、先生に消されて泣きそうなところも」 「は、はぁ!?」 「ぜーんぶ、可愛いよ」 「いや、き、キモいって」 「そんな風にツンデレなところも好きだな」 ジリジリと柊木くんが距離を詰めてくる。 「あ、えっ、怖いって、柊木くん」 「さっきの秋臣くんっていうのもすごくドキドキした。ねぇ、秋臣って呼んでみて」 「や、やだって、どけろよ」 覆いかぶさってきた柊木くんの胸を押し返すが、手が震えて、全然力が入らない。 「可愛いな、こんなに震えちゃって。ああ、ねじ伏せたい」 「や、やだやだ!やだって!」 本格的に怖くなって、ジタバタと暴れる。 180cmはありそうな、わりとがっしりとした柊木くんと、160cm台の引きこもりの僕とでは勝ち目が全然なかった。

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