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第8話 ※
そうしている間にも、どんどんと柊木くんの顔が近づいてきて、唇が重なった。
と、思いきや、ぬるっと舌が入ってくる。
「ん!?」
女の子とディープキスはおろか、フレンチキスも手を繋いだり、付き合ったこともない僕にとっては、脳の処理が追いつかない。
動き回る舌に翻弄されながら、息をしようとすると、鼻にかかったような甘ったるい声が出て、驚いてしまう。
「んっふっ、ふぁっ…」
抵抗するどころか、ボーッとしてきた感覚に溺れそうになる。
ゆっくりと唇が離されると、柊木くんは獣のような目で僕をみながら、するりと手を服の中に入れてきた。
「な、なに!?やだって!」
ハッとして、手をつかもうとするが、全然力が入らない。
「やば…、奏、肌すべすべ」
「いや!奏って呼ばないで!」
まるで、自分が女の子になって襲われているような気持ちになった。
するすると滑る柊木くんの少し冷たい手が胸の頂に触れた瞬間、ピクリと体が跳ねた。
「やっ!やだって!そんなとこ、触らないで」
「ふふ。コリコリしてる。キス、そんなに気持ちよかった?」
「!?よ、良くないし!辞めて!!変態!」
「やばい。可愛い」
「はぁ!?ちょっ、やだってばぁ、あん」
服を捲り上げ、本格的に弄られ始めると、自分でも驚くくらい善がってしまう。
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