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第70話 ※
「おい、秋臣、くすぐったいって」
秋臣の息が首に当たって、絶妙にくすぐったい。
僕は往来のくすぐったがりだから、秋臣を引き剥がそうと、肩を押すと、生温かい舌で舐め上げられた。
「うわぁっ、ちょっと、舐めるのは反則だろ!」
さらにジタバタ暴れると、のしかかられて下敷きになった。
可愛い大型犬が、ド変態の獣になってしまう…
「も、やだって!すぐエロに持ってくんだから!もうちょっと甘々なイチャイチャを…」
「じゃあ、甘々でイチャイチャなエッチを…」
「最低」
「でも、奏は最終的にはOKしてくれるよね」
「そういう問題じゃっ…、ひゃあっ、ヤダっって」
服の上から擦られただけで、乳首がワイシャツを押し上げる。
「ほら、奏もノリノリ」
「そ、そんな触り方したらこうなるに決まってる!!」
「俺はならないかな」
「っ…、ひゃあっ!?やだっ、服ごとは無理っ。アッ…」
ジュルジュルと音を立てて、服の上から乳首を吸われる。
濡れた服が擦れる感覚は、今まで感じたことがなかった。
「ね、脱ぐ!脱ぐから、これやめてっ」
「直接の方がいい?」
「そ、そういうわけじゃ」
「じゃあ、続けてもいいよね?」
「ち、ちがっ…」
「じゃあ、ちゃんと言って?」
「ふうっ…、直接、触って…ください」
「触るだけでいいの?」
「なっ…、くそっ……、舐めてください…、こ、これでいいだろ!?」
「脳内のフィルムに焼き付けたよ。可愛いよ、奏」
言うや否や、服を捲り上げられ、すでに尖った頂に吸い付かれる。
「ひゃあっ!?あっ、やばっ…」
服越しも気持ちよかったけど、直接はやっぱり刺激がダイレクトに来て、気持ちいい。
「はっ、あぅ…、秋臣の舌、気持ちいっ」
「ふふ、女装して照れてる奏も可愛いけど、大胆によがってる奏も可愛いよ」
「うっ、うるさい!っていうか、お前も脱げよ、ずるいだろ」
「ずるくはないと思うけど…、そんなに言うなら脱がせてよ」
「よっしゃ、脱がしたる!」
潜在意識的に、脱がされるのが女の子で、脱がすのが男って思ってたから、ちょっと憧れてたんだよね。
残念ながら、目の前のやつは可愛い女の子ではなく、僕よりでかい男なんだけど。
プチプチとワイシャツのボタンを外していると、僕を見下ろす秋臣と目が合った。
ち、ちかっ!?
しかも、なんかすげぇエロい顔でこっち見てくる…
あ、なんか緊張で手が震えてきた。
「お、お前、見るなよ」
「ん?奏の手が震えてるから心配でね」
「お前が見てくるから震えるんだろうが」
外そうとすればするほど、焦って上手くいかない。
ワイシャツって、こんなに脱ぐの難しいっけ?
「ふふ、震えてる奏、可愛いね。食べたい」
「なっ、なっ!?く、食うな」
ガジガジと肩を噛む秋臣。
それもくすぐったいんだってば。
「も、やだぁ、脱げないぃ」
「ごめん、奏。俺、もう待てない」
余裕なさげな声で秋臣は呟くと、再度僕を押し倒して、僕のズボンをずり下ろした。
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