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第140話※

♢ 右足と右手、左足と左手。 それぞれの首を黒い霧状の魔力に拘束され、足を開いたまま……すっかり精根尽き果てたシャルは、身動きもままならずベッドに転がっていた。 たまに捕虜に使うだけで、召喚魔法域の肥やしになっていたらしい黒い目隠し。 拘束の上に楽しげにそれを施され、自分の姿は愚か、周囲の状況は何一つわからない。 「あ、も……いきたくな……ぁ、あ…っ」 ビクンッ、と拘束された身体が痙攣し、反射的にかすれた声が微かに漏れた。 喘ぎすぎてざらついた嬌声。 確かに達したのに、もはやゆるく頭をもたげる程しか勃ち上がっていない陰茎からは、透明な粘液がコポ、と垂れるだけだ。 それだけ長い間、繰り返し嬲られている。 日頃鍛えてはいてもインドア派の彼にとって、終わりの見えない快感は、ひたすらに甘い拷問に等しい。 そんな酷使され項垂れるモノを口内で弄んでいるアゼルは、中に突き入れた指でしこりをトントンと押しながら、容赦なく舐り喉でキュッと扱く。 「ひっうぅぅ…っ」 手足を繋がれては腰を揺らし逃れることもできず、再度訪れる愛撫に、小刻みに震え悶えた。 ──シャルは今、意図はなくともうっかり魔王を煽りすぎたツケを支払っているのだ。 理性の千切れたアゼルは責任をとれと吠え、当てこすり、赴くまま熟れた身体を貪った。開き直ったとも言う。 立たない腰を掴み、根本まで包み込み温かく迎える媚肉を犯し、まったく予定と違う展開になってしまったシャルが悪かったと焦りだすのも聞こえないふりをして、我慢した分たっぷりと抱き潰した。 そして根本を縛って一切射精を許さず、身体中隅々まで舐められ、吸われ、噛まれ、撫でられ、揉まれ、ドライだけを許される執念深いセックスのお仕置き。 その後は拘束され、前後ろ同時攻めで、今度は枯れ果てるまで射精させられているのだ。 見えない視界の中、何度も擦られ敏感になった後ろの粘膜を、絶えずクチュクチュと指が撫でる。 溶け出しているんじゃないかというくらい熱くとろけた中は、止まることなく弱点を刺激する指をねっとりと包み込む。 誘ったのはシャルだ。 乗りかかって煽りプレイを始めたのもシャルで、我慢させて迂闊に火をつけてしまったのもシャルだ。 完全に自業自得なので抗議できない。 元々始めたらちょっとやそっとじゃ止まらない、体力も性欲も尽きない男なのに、どうして溜めさせようと思ったのか。 逃れられない心地よさに、開きっぱなしの唇から「は、ぁぁ…っ」と悲鳴じみたか細い喘ぎが搾り出され、だらしなく唾液が口端から溢れ枕の布地を汚す。 もうちゃんと勃起もしない程消耗しているのに、アゼルが吸血をして催淫毒で無理に快楽に溺れさせないのは、なるべくトリップして記憶を飛ばすのを許さない為だ。 物覚えがよく器用なアゼルの口淫は、練習だと試行錯誤していたシャルよりずっと上手い。ずっとうまいと、困るのに。 「んぁ……ほんとに、もう……あ、ぁ、でな、あ…」 「ん…、は、仕方ねぇな…」 必死の訴えに、口の中でビクビクと震えているものをジュルリと吸い上げ飲み下し、アゼルはようやくそれをいじめるのをやめてくれた。 行為中のアゼルは、意地悪なのだ。 それを忘れていた事も、シャルの誤算だった。

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