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第142話※

押し寄せる波のような断続的な快感。 目隠しのせいでアゼルの触れる所全てに、過敏に反応してしまう。 本来なら痛いだけのはずの胸への刺激も、自覚するくらいに気持ちがいい。 擦れすぎて感覚が薄れたはずの体内も、ぐちゃぐちゃと深くかき混ぜられ、逃れようがない快感をもたらしていた。 「あっい、やだ……っも、だめだ、から……」 ギシギシと軋むベッド。勃起できなくても永続的に与えられ高ぶる熱で、脳はずっと達している。 抵抗したくても腕は動かせず、寝返りすら打てない格好。 それなのにどこか本気で逃れようとしていないのはわかっていた。 そんなシャルに笑いをかみ殺して、アゼルはちゅ、とキツく突起を吸い上げた。 「んっ、あぅ…っ」 「やめてほしいのか?」 「あ、ぁ」 トントンと中のイイ所を突き上げ尋ねると、返事はできなくとも必死に頷くシャル。 これ以上は、また自分だけイカされてしまう。 わかっているくせに同じところを集中的に穿ってくる動きに、ああ、またイク、と思い身を震わせた。 「クク……いいぜ」 それなのに──アゼルは口角を上げ、あっさりとひとつになりそうな体を離すと、ズル、とまだ収まらない怒張を引き抜いた。 「ひっ、ん…っあ、?」 突然触れていた手も追い立てていたものもなくなり、シャルは刺激のなくなった暗闇でぽかんと呆けた。乱れた呼吸をはぁはぁと漏らし、胸を上下させて呆気ない開放を受け取る。 てっきりまだだと言われ、いつかのように朝まで貪られるかと思っていたのに、やけに素直にやめてくれた。 先程まで広がっていた口がきゅっと窄まる。思い出したように自分の格好を恥ずかしく思い、尻をもじつかせて見えてもいないのに顔を横に逸らした。 なにも、惜しむことはないのだが、なんだかな。 「は……あ、あぜる、」 しかし懇願通りに責め苦を止めたのにも関わらず、一向に次の動きがなかった。 声も聞こえないし、音もない。触れても貰えないのに、解放もしてくれない。 どういうつもりなのかわからなくて、縋るように名を呼んだ。 それでも愛する人は、シャルになにも齎さなかった。 「あぜる、……もう、とってくれ……アゼル、…?」 首だけを動かし、起き上がろうとするが、叶うわけもない。 それに、中途半端に再度犯されたせいで、登りきれなかった快感が腹の中でくすぶっていた。 「ぁ……ン、…」 ままならない赤子のようにもぞもぞとわずかばかり蠢く。 返事のない暗闇が不安を掻き立て、迷子になったようだ。 欲しい……もう一度。 触って欲しい、ちゃんと終わりまでその腕で抱いて欲しい。

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